SDGsへの取り組み

当社グループは、海・陸・空の幅広いフィールドで事業を展開する企業として、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献すべく、事業活動を通じた取り組みを推進していきます。

SDGsとは

SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS

2015年9月、「国連持続可能な開発サミット」においてSDGsが採択されました。
2001年から2015年にかけて実施されたミレニアム開発目標MDGsの成果を継承したSDGsは、新興国だけではなく先進国を含めたあらゆる国・地域の貧困、不平等、教育、気候変動といった経済・社会・環境の課題解決に向け取り組んでいくものです。
SDGsは2030年をターゲットに17の目標を策定し、その実現に向けて企業・政府・地域社会による協力が期待されています。

当社グループは、企業理念である”Bringing value to life.”のもと、重要課題への対応と強化を図るとともに持続可能な社会・環境の発展を目指し、2030年のSDGs達成に貢献していく考えです。

事業活動を通じて貢献するSDGs

当社グループの事業と関連性の高い10のSDGs

SDGsに対しては、民間企業のイノベーションが求められており、新たなビジネスチャンスにもつながります。
当社グループも事業活動を通じてSDGs達成に貢献するべく、2017年度にはターゲットを絞り込み、17の目標のなかから当社グループの事業と関連性が高い6つを特定しました。特定にあたっては、経営層のみならず入社10年目以下の若手社員を対象にしたヒアリングも実施しました。2023年度には現在の当社グループの事業に加え、マテリアリティ(重要課題)である「安全」「人材」「環境」やそれらを支える重要テーマともSDGsを照らし合わせ、関連性が高い10のSDGsを再特定しました。
今後も事業活動を通じてこれらのSDGsへ貢献していきます。

活動事例①

NYK-TDG MARITIME ACADEMY(NTMA)
安全運航を担う人材育成を目的にフィリピンに商船大学を開校

2007年、世界有数の船員輩出国であるフィリピンに商船大学NTMAを開校しました。NTMAは優秀な学生を確保し、学校教育を通じて当社が求める高度な安全意識の浸透や当社へのロイヤリティ醸成を図っています。
NTMAの卒業生は、当社キャデット訓練船での船上教育を経て海技免状を取得し、当社グループの航海士や機関士として活躍しています。卒業生は累計で約1,360人(2022年11月時点)を超え、2021年4月には初の船長、2022年4月には初の機関長が誕生しました。

  • キャデット訓練船:通常の商船に教育施設(20人のキャデット部屋、教室、インストラクター用居室など)を増設した船舶
関連リンク:

活動事例②

船上キャッシュレス(フィンテック※の活用)
船上の給与支払いを電子通貨に移行し、現金管理のリスク軽減と船員家族の金融課題を解決

船上では船員への給与支払いや日用品の購買に現金が使用されています。船長・船員ともに現金を管理する必要があり、盗難や紛失のリスク、寄港地での家族などへの送金に手数料もかかります。
当社は、フィンテックを活用した船上でのキャッシュレス化に着目。乗船中の利便性向上を目指し、電子通貨の決済・送金が可能なネットワークを独自に構築しました。実証実験を経て、2019年8月に船上キャッシュレスを実現するための金融サービスを提供する新会社としてフィリピンに「MarCoPay」を設立しました。船員の一大供給国であるフィリピンなどでは、船員は数カ月ごとの契約期間で乗船する「期間工」として認識されることがあり、給与水準が十分に高い場合でもそれに見合う適正なローンを組むことが困難なケースもあります。こうした課題に対して、利用者が船上で活用する金融サービスの情報を蓄積し、金融機関と連携して解決することで、船員が有する資産の潜在的な経済価値の活用・寄与するなどフィリピンの関係省庁をはじめ幅広い関係者から期待されています。可能性は無限にあり、世界で約150万人とも言われる船員と家族のより豊かな生活への貢献を目指します。

  • フィンテック:ファイナンス・テクノロジーの略
関連リンク:

社外メディア等での当社グループ取り組み掲載事例

(一社)日本経済団体連合会
  • 「Society 5.0」の総合プラットフォーム「Theater 5.0」にて船上キャッシュレス(MarCoPay)とNYK SUPER ECO SHIP 2050の動画を掲載中。
    関連リンク:
(公財)日本財団
  • 「オーシャンイノベーションコンソーシアム」の「海洋開発事業におけるSDGsへの取り組み」にて、洋上風力を掲載中。
国際連合総会の“Global Goals Week”にて当社取り組みを紹介
―「持続可能な開発目標」(SDGs)を推進 ―
THE GLOBAL GOALS

2016年9月13日にニューヨークの国連本部で開幕した「第71回 国連総会」におけるGlobal Goals Weekで、ノルウェー船級協会DNV GL グループ社長兼CEOレミ・エリクセン(Remi Eriksen)は「持続可能な開発目標」(以下SDGs)の達成に向けた基調講演を行いました。
その講演のなかで、当社はさまざまな創意工夫を実践するなどイノベーションやビジネスモデルの変革を通じて社会課題の解決へ積極的に取り組み、SDGsを推進している企業として日本企業で唯一紹介されました。

講演で紹介された当社の取り組みは以下の通りです。

  1. 1フィリピンで商船大学の運営に早くから注力し、途上国の人々の能力向上に携わることで、人々の働きがいと経済成長(Decent work and economic growth)に寄与。
  2. 2環境に配慮する数多くの技術を搭載したNYK SUPER ECO SHIP 2030の構想や、運航ビッグデータ・IoTを用いて海陸が一体で取り組む省エネ運航を通じて、環境対応および安全運航に貢献。
  3. 32020年までに農林水産物の輸出額を2012 年の倍に当たる1兆円規模にするという日本政府が掲げる目標に向けて、当社グループのCAコンテナによる青果物輸出への積極的な取り組みおよび、その技術力が途上国の農業振興にも資すること。
The Future of Spaceship Earth
  • SDGs達成に向けた基調講演
    DNV GLは、SDGsを達成するために企業として何ができるのかという問題意識を持つなか、SDGsで掲げる17項目の目標に対する2030年までの展望と、SDGsの実現に向けて、同社とつながりのある17の先進企業の取り組み事例を掲載した同社のレポート「The Future of Spaceship Earth」を発行。
関連リンク:

DNV GL(ノルウェー・ドイツ船級協会)CEOからのメッセージ
「日本郵船グループの技術開発はさまざまな価値創出や課題解決につながっています。」

Remi Eriksen
CEO and President
DNV GL

海運におけるデジタル化は、船舶の安全性、運航の効率性を高めるのみならず、より優れた環境対応を可能にし、社会価値の創出に寄与するものとDNV GLは考えています。日本郵船グループの活動は、こうした開発の最前線にあると認識しています。日本郵船グループとDNV GLが協働して進めているIoTデータ収集に関する取り組みでは、すでにその有用性や価値が明らかになってきており、さらに開発を進めていくことで、我々は海運業界全体に利益をもたらすものと確信しています。
また、日本郵船グループの事業活動は、SDGsにも広く関係性があり、輸送コストの削減や物流の効率化を推進するとともに、途上国市場へのアクセス改善やCO2排出量の低減にもつながっています。DNV GLは自社のレポート(The Future of Spaceship Earth 2016年版)において、日本郵船グループの活動がSDGsに寄与していることを紹介しています。(2017年7月現在)

社外に向けた発行物(SDGs本)

SDGs本

本冊子ではイラストやデータを用いながらSDGsの17目標を分かりやすく解説するとともに、当社グループのSDGsへの取り組みもご紹介しています。

関連リンク:

社内浸透活動

当社グループ会社の役員・従業員一人ひとりがSDGsを自分ごととして捉え、社内外での行動変革が起こることを目的に、さまざまな部門で知恵を出し合いながら他方面から浸透活動を推進しています。

主な取り組み

ESG研修

SDGsをテーマの1つとして盛り込み、当社グループのESG経営の取り組みについて理解を深めることを目的とし、新入社員を対象に実施しています。
①ESG ②コンプライアンス・個人情報保護 ③環境 ④人権 ⑤独占禁止法・贈収賄禁止法 の5つのテーマで構成され、基礎知識や当社グループの具体的な取り組みについて説明しています。2022年度はグループ会社を含む115名が参加しました。

ESG経営eラーニング

ESGに関する社会動向やステークホルダーの目線に関する知識習得に加え、当社グループのESG経営の取り組みについて理解を深めることを目的とし、グループ社員を対象に毎年実施しています。ESG経営の根幹にある「安全、環境、人財」の3つのマテリアリティに沿って学習出来るような構成となっており、「NYKグループESGストーリー」等について紹介しています。2022年度はグループ会社を含む7,647名が受講しました。

本店喫茶室

「海の豊かさを守ろう(SDGs14)」へのアプローチとして、2019年度よりプラスチック容器やストロー、購入商品を入れるビニール袋を廃止し、プラスチックの利用を減らす取り組みを推進しています。さらにマイカップで飲み物を購入した場合の割引制度を導入し、社員へのマイカップ持参を促しています。
この他、サステナブル・シーフードを使用したメニューを販売し、「サステナブル・シーフードを積極的に選ぶことが重要な海の資源を守り、また人々がこれからの未来も魚を食べ続けていくことにつながる」ことを社員に伝えています。

  • サステナブル・シーフード
    過剰漁業や環境破壊につながらない方法で漁獲、生産された持続可能な水産物

社会貢献

ESGを経営の中心に据え積極的に推進する当社グループの重要な経営戦略方針に則り、「海、地球、そして人々への恩返し」をテーマに、主体的に社会・環境の課題解決に取り組んでいます。
詳細は以下をご覧ください。

関連リンク: