環境規制

国際海運では、今後船舶に関連する環境規制が順次強化されます。当社グループでは船舶に関連する法規制を把握し、順守徹底をすることは勿論のこと、更なる海洋・地球環境の保全に努めます。

取り組むべき3つの課題

取り組むべき3つの課題

環境規制動向

当社は、船舶に対する環境規制の在り方や規制内容に関し、IMO(国際海事機関)での議論に積極的に参加し、船主・オペレーターの立場で、国際ルールづくりに関与しています。

環境規制年表

環境規制年表
  1. ※1GHG : Green House Gases(温室効果ガス)二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン類(HFCS)、パーフルオロカーボン類(PFCS)、六フッ化硫黄(SF6)など
  2. ※2EEDI : Energy Efficiency Design Index(エネルギー効率設計指標)船舶の設計・建造段階で仕様に基づく原単位(トン・マイル)あたりのCO2排出量を評価する指標
  3. ※3SEEMP : Ship Energy Efficiency Management Plan(船舶エネルギー効率管理計画書)航海ごとにエネルギー効率を改善するための運航上の取り組みを明示
  4. ※4DCS : Data Collection System(燃料消費実績報告制度)総トン数5,000トン以上の国際航海に従事するすべての船舶を対象に、燃料消費量、航海距離および航海時間をIMOに報告する制度
  5. ※5SOx規制 : 排ガス中のSOx量を抑制するため、燃料油に含まれる硫黄分含有率を規制するもの
  6. ※6NOx規制 : エンジン排ガス中のNOx量を段階的に規制するもの。
    1次規制:2000~2010年起工船に対し、エンジン定格回転数に応じた排出量を規定。
    2次規制:2011年以降起工船に対し、1次規制から約20%削減を義務化。
    3次規制:開始年は対象海域ごとに異なり、2016年、2021年の2段階となっている。
  7. ※7バラスト条約 : 2017年9月の発効以降、(定められた個船の期限までに生物や一部の病原菌の越境移動を防止させる)バラスト水処理装置の搭載が義務付けられている
  8. ※8シップリサイクル: 解撤(スクラップ)における労働災害・環境汚染抑制の条約。発効要件を満たした24カ月後に発効

大気汚染防止

SOx

硫黄分を含む燃料を燃焼させると大気汚染の原因となるSOxが発生します。
IMOは、船舶から発生するSOxを低減させる規制を発効しており、燃料油の硫黄分濃度の上限を順次引き下げております。
欧州、アメリカ、カナダの指定海域(ECA:Emission Control Area)で使用する燃料油の硫黄分濃度上限は、2015年1月から1.0%から0.1%に引き下げられており、一般海域で使用する燃料油の硫黄分上限は、2020年からは、0.5%となりました。

当社グループは、この規制への対応として、規制に適合する油(低硫黄燃料油)の使用、SOxスクラバー(排ガス脱硫装置)搭載、LNG燃料等への転換の3つを選択肢として、個船ごとに最適な対応を進めてきました。2020年1月からの適合油への切り替えを安全かつ確実に行うため、社内プロジェクトを立ち上げ、切り替えを適切に行うとともに、適合油のエンジン機器への影響も最小限に留め、大きな混乱も無く、確実な調達とともに適切に運用されています。

NOx

燃料油を燃焼させると大気汚染の原因となるNOxが生成されます。
IMOは、船舶から発生するNOxを低減させるための規制を発効しており、2011年以降の建造船は2次規制に対応しています。
さらに2016年1月以降の建造船からは米国・カナダ沿岸、米国カリブ海を、2021年1月以降の建造船からは北海・バルト海を航行する際に厳しい3次規制が課されています。

温暖化防止

SEEMP

運航する船舶からのCO2排出削減を目的とし導入された規制で、2013年1月1日以降、全船舶が船上にSEEMPを保持することが義務付けられています。
各船では、航海ごとにエネルギー効率を改善するための運航上の取り組みを示した管理計画書、「船舶エネルギー効率管理計画書(Ship Energy Efficiency Management Plan:SEEMP)」を航海前に作成します。
そして航海中はその計画に沿って運航し、航海が終わればレビューを行います。
効率運航のためのPDCA(Plan、Do、Check、Act)サイクルを実施するツールとして使用しています。

燃料消費実績報告制度(DCS)

国際海運から更なるCO2排出削減対策として、既存船を含めた船舶に対して、燃料消費量等の運航データ収集、報告及び認証を課す燃料消費実績報告制度(Data Collection System)が採択されており、2019年より関連データの収集及び報告が義務付けられます。

海洋環境保全

バラスト水管理条約

海洋環境に影響を及ぼす水生生物の越境移動を防止するため、2017年9月に発効されました。
船舶はバラスト水を一定の基準まで浄化する装置の搭載が順次義務付けられます。

シップリサイクル条約

船舶が解体される際の労働災害や環境汚染を最小限にするためにIMOにて2009年にシップリサイクル条約が採択され、発効に向けた批准が進んでいます。
条約が発効すると、運航船舶は船上に存在する有害物質の量・設置場所などを記載したインベントリリストを作成し、船上に保持することが義務付けられます。