トップコミットメント

ESG経営に基づく「未来に必要な価値を共創します」

ESG経営は「浸透」フェーズから「実装」フェーズへ

2021年2月の「NYKグループESGストーリー2021」公表から2年後の2023年3月、日本郵船グループは新中期経営計画“Sail Green, Drive Transformations 2026 - A Passion for Planetary Wellbeing -”(以下、新中計)を発表しました。ESGを中核に据えた成長戦略を具体的に描いた内容となっています。この新中計の発表に至るまで、国内外グループ会社をも対象としながら、ESGという言葉の浸透に取り組んできました。浸透と言っても、知識としてESGを理解して終わりではなく、ESGを自分ごとに置き換えるまでが私たちが考える浸透です。2年間にわたるこの浸透活動を経て、当社グループのESG経営は実装段階へと移行します。脱炭素社会に向けた最適燃料転換、自動運航システムの開発、地方創生、新規事業への投資など、この2年間で広範囲にわたって成長の種をまいてきましたが、今後は本格的な事業化を目指し、具体的な取り組みを次々と進めていきます。

サプライチェーンを支える総合物流に携わる企業として

新中計では「共創」という言葉を取り入れました。これには、環境を始めとしたさまざまな社会課題に対し、1社単独で取り組む以上のインパクトを、多様なステークホルダーとともに生み出していくという思いが込められています。しかしそれ以上に、サプライチェーンを下支えする総合物流企業グループという社会インフラとして、サプライチェーン全体でいかに環境・社会価値を創出する好循環を生み出せるか、という視点を私は特に重視しています。例えばGHG排出量について、当社グループが運航する船舶が排出する分のみ削減していけばいいということではなく、お客さまにとっての価値にどうつながり、どう貢献できるか、お客さまと対話を大事にしています。輸送して終わりではなく、送り主、届け先、さらにその先の届け先も見据えた取り組みは、サプライチェーンの一翼を担う当社グループの責務です。可視化していく定量情報もより充実させ、当社グループ内での分析・検討はもとより、お客さまや取引先との議論も一層建設的なものへと高度化させていく考えです。

世界中の暮らしを支える誇りを胸に

当社グループは過去の中期経営計画において、海運業の枠を超えた総合物流業を志向し、実現してきました。今度は新中計で掲げる通り、その総合物流業の枠を超えた存在を目指します。“Bringing value to life.”というグループ企業理念の下、世界中の暮らしを支える社会的使命をグループ全役職員が改めて強く意識し、誇りをもってESG経営を実践していきます。引き続きご理解、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

2023年4月

代表取締役社長
曽我 貴也