進化し続けるESG経営

当社グループは、2018年3月に発表した中期経営計画にて、「ESGの経営戦略への統合」を明示しました。これからも社会や産業から必要とされるSustainable Solution Providerを目指すため、グループ社員一人ひとりが、従来持ち合わせていた「経済性」のモノサシに「ESG」のモノサシを加えることから始めます。「ESG」のモノサシで徹底的に考え抜いた上で、当社グループが社会から必要とされる存在であり続けるために必要だと判断すれば、長期的な視点で、経営資源(ヒト・モノ・カネ・データ)を重点的に投入します。その結果、当社グループの既存事業の差別化や、新たな事業領域を作り出すこと、またブランディングの向上、グループ社員の働きがいや誇りにもつながるなど、当社グループの企業価値向上を可能にすると考えています。

Sustainable Solution Provider

ESG経営の推進体制

ESG経営の全社的な方針を決定するため、社長を委員長とするESG経営推進委員会を設置しています。各本部を代表する執行役員と外部有識者で構成されており、ESG経営に関する議題について全社的な視点から審議・討議を行い、その内容を経営会議、取締役会に報告する体制をとっています。なお本委員会には、サステナビリティイニシアティブ分科会(※1)、国連グローバル・コンパクト推進分科会(※2)が組成されており、両分科会にて事前の討議を行った上で、本委員会への提案を行う形としています。
またESGの要素を、指名・報酬の各諮問委員会における検討内容へ反映、経営会議、投融資審議会(※3)やR&D審議会(※4)といった重要会議体にもESG経営推進担当執行役員もしくはESG経営推進グループ長が参加することで、個別案件の意思決定判断にESGの要素を反映する仕組みを整えています。

  1. ※1サステナビリティイニシアティブ分科会:当社グループの社会貢献活動に、社会課題解決のための新規事業育成の観点を付け加え、社会の持続可能性に資する投融資の可能性を追求する新たな取り組みの個別事項に関する事前の討議を行う
  2. ※2国連グローバル・コンパクト推進分科会:2022年度より既存のグローバル・コンパクト推進委員会から改組。当社および当社グループ会社における国連グローバル・コンパクトの推進とそれに基づく体制の整備を目的とする。グローバルを対象としたHRサーベイや人権デュー・ディリジェンスのプロセスなどを通じて、国連グローバル・コンパクトに反する恐れのある業務執行および事実等について調査し、事実を認定し、是正のために必要な措置を協議の上、決定する
  3. ※3投融資審議会:当社および当社グループ会社の行う個別の投融資や与信案件に関し、その収益性、各種リスク、その他関連する事項の評価や検討を行う
  4. ※4R&D審議会:技術開発・実証実験に関する研究開発案件の世の中の流れ・技術的見解を踏まえた審議を行う

ESG経営推進体制図(2022年4月1日現在)

議論を深めるための体制(2022年4月1日現在)

ESG経営推進委員会での主な議題

ESG経営推進委員会での主な議題

グループ全体に広がるESG経営の考え方

ESG経営は当社のみならず当社グループ全体へも着実に広がり始めており、国内外における複数のグループ会社が自主的にESG経営を考える動きにつながっています。
当社はグループ会社各社との連携強化に努めています。国内各社とはグループ会社社長定例会などを通して直接対話し、海外各社とは米州・欧州・東アジア・南アジアの各拠点に設置しているRegional Management Office(RMO)を中心に、本社と各拠点や各拠点間での良好なコミュニケーションを維持しています。加えて、ますます変動するグローバルの事業環境のもとで当社グループの地域戦略を深度化し、より機動的な事業展開を図るため、RGOを維持した上で2022年4月に新たに南アジアと中東地域において、地域代表と国代表を設置しました。
当社グループはグローバルに事業展開をしており、さまざまな事業内容、事業規模のグループ会社で構成されています。今後も事業内容や規模に拘わらず、当社グループ全体への浸透を目指し、管掌部門とグループ会社が一体となり取り組みを進めていきます。

ESG経営浸透のための取り組み

日本郵船グループは、グループ社員一人ひとりが長期的な視点に立ち、「ESG」のモノサシを持って、既存事業の差別化、新しい事業領域の拡大、投資を通じて、社会課題解決に貢献するという好循環を生み出すことを目指しています。取り組みの土台として、本社各部署にESG Navigatorを設置しました。ESG Navigatorは、マネジメントが示す方向性・方針を所属部署に伝達する触媒の役割を担っています。2022年度はさらに活動の輪を広げ、国内外グループ全体への浸透に取り組んでいきます。

ESG Navigator 制度

ESG Navigator 制度

ESG Navigatorとは各部署において、トップダウンとボトムアップの両方のアプローチを支え、ESG経営推進を担う担当者のことです。現在、本社内全48部署でグループ長・室長・支店長が任命したESG Navigator 67名が活動しています。船の世界ではNavigatorとは航海士のことですが、ここでは航海長である二等航海士を指します。航海長(二等航海士)の重要な仕事の一つに航海計画の策定があり、船の進むべきルートを船長と議論を交わしながら決定します。また船内全体で意見を取りまとめる際も中心的な立場となり、乗組員の意見をまとめていきます。ESG NavigatorにはオフィスでESG経営を推進するにあたり、船上での航海長の役割を担ってもらいたいとの思いを込めています。具体的には、①ESG Navigatorとグループ長・室長が自グループの「ありたい姿」へ辿り着くためのルートをどう描くかを議論、②マネジメントの考えをグループ員と共有、③若手層の自由闊達な意見をリードし、グループ員の意見を各所に展開する役割を担っています。

ESG Navigators' Dialogue

ESGの考え方をうまく活用した各部署の事例共有や、サステナビリティ全般に関する世の中の動き、専門知識のアップデートを目的としており、2021年度は全10回実施し、延べ900名が参加しました。
2022年度は脱炭素に向けた情報共有やガバナンス強化の視点も盛り込み、継続的に実施しています。

ESG Navigators' Meeting

各部署のESG Navigatorが一堂に会し、ESGに関するさまざまなトピックについて自由な発想をもとに活発に議論しています。
小規模のグループに分かれ、双方向のコミュニケーションの中でそれぞれが抱える課題の共有や意見交換を行い、さらなるESG経営浸透の加速につなげています。

ESG経営浸透活動事例

ESG経営浸透を目的として、国内外グループ社員向けに多くの取り組みを行っています。

2021年度以降の活動事例

  内容 対象者 時期 参加人数
国内 社長によるタウンホールミーティング 国内外グループ会社従業員 2022/2 1,101名(オンライン)+176名(アーカイブ)
NYKレポート2021(統合報告書)グループ内説明会 国内外グループ会社従業員 2021/10-11 延べ387名
基調講演 全2回
ゴールドマン・サックス証券(株)清水大吾 氏
国内外グループ会社従業員 2021/7, 12 延べ601名
担当執行役員による「NYKグループESGストーリー2022」グループ内説明会 国内外グループ会社従業員 2022/3 約600名
海外 北米での社長によるタウンホールミーティング 北中南米グループ会社従業員 2022/4 約250名
フィリピン船員集会でのミーティング 船員(主に乗船前の隔離期間中の方々)とその家族、NYKグループ関係者 2021/7 約1,000名