リスクマネジメント

リスク管理

リスク管理体制図

当社グループの事業や業績は、世界各地の経済や政治情勢、環境規制、安全・保安体制などの社会的な要因や、自然災害、技術革新などの影響を受ける可能性があります。当社では、リスク管理方針およびリスク管理規則に基づき、事業の本質を最もよく理解する各事業部門がリスク選好と許容度の徹底的なセルフ・アセスメントを実施し、リスクを定性的・定量的に評価します。

全社的リスク管理

事業等のリスクは、各部門が主体的にリスク管理を行います。リスク分野ごとに主管部門と社内委員会が組織横断的にリスク管理状況をモニタリングし、全社的視点でリスクを評価します。また、内部監査室の実査も加え、リスクをより適切に管理しています。
年2回開催される「リスク管理委員会」には、社長、会長、取締役および本部長執行役員、監査役等が出席し、本部長が社長へ当社グループの経営に大きな影響を与えうる重要リスクの管理状況を報告し、その管理状況を評価しています。また、全社的リスク管理手法に関する改善点、新たな施策も検討しています。2019年度は内部統制の運用強化に伴いリスク管理規定を改定し、本部・グループ会社の枠を超えて発生する可能性があり、経営者が重要と認識する全社リスクについては、リスクの性質に応じた部門を超えた統一的な管理体制を構築し、関係する各本部・グループ会社に助言し、リスク対応を推進する旗振り役となるリスク管理本部を指定することで、リスク管理上の役割を明確化しました。

リスクマップ

当社の経営に大きな影響を及ぼす可能性があるリスクとして、船舶や航空機の重大事故などのオペレーションリスク、カントリーリスク、自然災害などの外的要因リスク、独占禁止法違反などのコンプライアンスリスク等を重要リスクに位置付けている。

情報セキュリティ対応

当社グループは、サイバーレジリエンスを高めるという観点から、多層防御によるセキュリティ対策の強化のみならず、万一侵入を許してしまった場合でも、EDR(Endpoint Detection and Response)の導入により、ダメージの最小化とダメージからの早期復旧に重点を置き対応しています。サイバー攻撃に対して、定期的な訓練の実施やグローバルな体制の確認を進めています。また、世界中で検出されるサイバー攻撃をリアルタイムに一元管理する体制を構築する予定です。
さらに、昨今のサプライチェーンを狙った攻撃リスクに対して、国内外グループ会社のセキュリティ教育を強化すべく、2020年度より教育プラットフォームを導入し、セキュリティ意識の向上を推進しております。あわせて脅威インテリジェンスを利用することで、セキュリティリスクへの対応能力を強化させていきます。

気候変動への取り組み / TCFD(気候関連財務ディスクロージャー・タスクフォース)

当社グループでは、「気候変動」を重要な経営課題の一つであると認識しています。2018年12月にTCFDの最終提言への賛同を表明し、TCFDで要求されている開示内容や方法など精査を進めてきました。そして2020年4月、気候変動という課題に向けた指標策定や目標達成への行動をより具体化し、全社的な活動として更に発展させるため、新たにガバナンス体制を構築しました。

ガバナンス

気候変動が当社グループ事業に及ぼす影響について、長期的な時間軸の中で計測し、具体的な経営戦略などに取り入れる必要もあり、これらを推進するために、2020年4月に社長を責任者とした気候変動対応の管理体制を設置しました。

気候変動管理体制

<管理上の主なポイント>
  • 気候変動に関する事項は、ESG経営推進体制の下、全社横断的に組成されたタスクフォースを通して経営会議に報告され、十分な議論を経て決定
  • 経営会議は、気候変動に関する事項を取締役会規則に基づき定期的に(年2回程度)取締役会に報告
  • 意思決定に関わる重要な4つの会議体(投融資審議会、リスク管理委員会、投資経営会議、財務方針会議)には、ESG経営推進担当役員が参加
<体制構築後の主な具体的取り組み>
  • 2020年4月以降に開催された4つの会議すべてに、ESG推進担当役員(担当・担当補佐の2名のうち少なくとも1名)が参加
  • リスク管理委員会にて、気候変動に関するリスクと機会を議論
  • 気候変動対策の1つとしてのGHG排出量削減について経営会議で議論

戦略/リスク管理

シナリオ分析

当社グループは、シナリオ分析を用いた気候変動関連のリスクと機会の評価や、当社グループの事業・戦略・財務に及ぼす影響を把握することが重要であると認識しています。長期的な事業運営の観点から、これまで行っていた当社独自の輸送需要予測に気候変動要素を加味し、社会的に合理的なシナリオを前提としたリスク管理と機会の把握を進めています。エネルギー関連の将来動向については、IEA(国際エネルギー機関)が発表するWorld Energy Outlookを参照し、IEAのメインシナリオであるSTEPS(Stated Policies Scenario)とともに、SDGsの達成を前提としたSDS(Sustainable Development Scenario)を分析しています。エネルギー輸送需要量に気候変動のリスクと機会がどの程度影響するか当社独自に算出し、特に海上輸送需要へ与える影響を測定します。加えて、必要なパラメータ(為替・燃料価格・炭素税など)を設定することで、当社グループの事業運営に反映しています。エネルギー輸送本部においては他の事業本部に先行し、シナリオに影響を与え得る要素を特定し、「不確実性」と「影響度」の観点を取り入れた数値化による各要素のマッピングを行うことで、効果的なシナリオ分析に向けた準備を進めています。今後はドライバルク輸送本部や自動車輸送本部などへの導入も検討しています。これらの取り組みで明らかとなった内容を踏まえ、当社グループの長期的な姿やレジリエンスを示すための開示を進めていきます。

気候変動により想定される主なリスク・機会

当社グループは、気候変動により想定されるさまざまなリスクや機会の把握に努めています。毎年開催されるリスク管理委員会にてリスクの把握と対応状況をモニタリングし、長期的な視点で当社グループ事業への影響を確認しています。

想定されるリスク・機会
気候変動リスクへの対策(例)

当社グループでは、気候変動リスクへの対応として、下記のようなさまざまな対策を進めています。

  • ガバナンス体制の構築
  • 気候変動要素を加味した投資決定プロセスの構築
  • 気候変動を加味したリスク管理手法の導入とシナリオ分析
  • 化石燃料など貨物需要の把握
  • 運航船舶のLNG燃料転換の推進
  • 新舶用燃料への転換に向けた技術開発・実用化
  • 燃費節減活動の加速
  • IMO規制に則った安定的な適合燃料の調達
  • 金融機関などのESG部門やESG投資家との積極的な対話

事業等のリスク

当社グループの定期船事業、航空運送事業、物流事業、不定期専用船事業、不動産業、その他の事業の事業活動において、世界各国の経済情勢、政治的又は社会的な要因等により、当社グループの事業や業績が影響を受ける可能性があります。詳細は以下をご覧ください。

関連リンク:

危機対応

災害時などの対応

災害や事故などで被害を受けた際に、重要な機能を可能な限り中断せず、また中断した場合にもできるだけ早急に復旧できるように、グループ会社を含む主要な事業ごとに「事業継続計画(BCP: Business Continuity Plan)」を策定しています。
クラウド化したグローバル情報共有IT基盤の導入およびより堅牢なデータセンターへの移転等、当社のIT・通信インフラ環境が大きく改善されたことにより、在宅で遂行可能な業務が拡大したことを受け、2016年にBCPを改訂しました。また、災害時に情報共有を行うための連絡・報告ツールを整備し、これを利用した情報共有・連絡訓練を実施しています。