シップリサイクル

安全かつ環境に優しいシップリサイクルのための取り組み

船舶が解体される際の労働災害や環境汚染を最小限にするために、国際海事機関(IMO)において2009年にシップリサイクル条約が採択され、発効に向けた各国の批准が進んでいましたが、2023年6月に発効要件を達成し2025年6月26日に発効することが決定しました。
条約の早期発効に向けた機運を高めるために、当社は先駆けて条約の基準を取り込み、条約をシップリサイクルに関わる全てのステークホルダーにおけるスタンダードとして定着させることを目指してきました。
また当社グループの(株)日本海洋科学は、(独法)国際協力機構(JICA)の実施する「インド国シップリサイクルヤード改善事業準備調査」において、70ヤードを対象とした改修土木工事、廃棄物焼却炉や有害物質処理装置等の機材選定、入札補助や施工管理に対する補助に関するコンサルティングサービスを実施し、インドのヤードが早期に条約適合するための支援を行ってきました。

船舶には良質な鉄が大量に含まれており、中大型船はその9割以上が建築資材、再生素材や中古品として再資源化されています。この貴重な再生資源を適切に処理することが循環経済実現のためには重要です。
当社グループの船舶解体に関する目標は、世界中の全ての船舶が条約の基準に従って適切に処理が行われることです。今後も安全かつ環境に優しいシップリサイクルのための取り組みを続けていきます。

当社解撤ポリシー

当社は条約締結に先立ち2008年には条約最終案を取り込んだ以下の解撤ポリシーを制定し、改善を続けています。

  • 当社および当社グループ会社所有の全船を対象とし、IHMを作成、本船に配備する。解撤可能性のある船については優先的に作成を行い、ヤードへ引き渡す際には確実に配備する。
  • 船級協会により条約の「適合鑑定書」の発行を受けたヤードを基本に、実際に現地に赴き、ISO 14001/9001/30000/45001の取得有無等も判断基準の材料としながら、当社独自基準を満たした場合のみ当社認定ヤードとする。
  • 定期的に当社認定ヤードへ赴き、環境・労働安全衛生の水準が当社の解撤ポリシー・基準を維持しているか確認する。
  • 解撤の際は当社独自の解撤売船契約書を用い、ヤードへ引き渡し後は契約に基づいた安全・環境の対応状況を確認し、解撤工程をモニタリングする。

シップリサイクルの流れ