PEOPLE

陸上職技術系

就航船管理

海務グループ(取材時)
2012年入社

入社理由

①海外で働く機会があること、②1から10までその商材に関わる仕事ができること、の2つです。①については、自身が学生時代あまり海外に出ることがなかったことと、研究室に在席していた海外学生から文化の違いなどで非常に刺激を受けたことで、特に意識するようになりました。②については、理系学生の就職先としてメジャーな製造業や研究職の場合、ある商材の一構成品に対してはプロになれますが、商材全体を見ることが意外と少ないのではないか、と就職活動を通して考えるようになりました。自身の性格的にも、狭く深くよりも、全体を俯瞰して携われる仕事が合っていると思ったいたため、方向転換をしました。色々と会社を回るうちに、海運業の技術職は船が建造される段階から携わることができ、実際に航海している船にも関与できる。また、現在はローテーションの一環で営業部署にも行く可能性があるので、自分たちの資産である船がどのようにして利益を上げているかまで、真に1から10まで携わることができる仕事だと思い、日本郵船への入社を決めました。

仕事内容

船舶に関わる環境規制対応をしており、主に排ガス規制対応に注力しております。2020年から船舶に使用される燃料の硫黄分の規制が強化され、大きく分類して3種類の対応策が挙げられていますが、その中で「スクラバー」と呼ばれる排ガス洗浄装置を船にレトロフィット(改造)するプロジェクトを担当しています。 新造船を仕込む際は造船所が一括して建造を請け負うのですが、レトロフィットの場合は船主が、メーカーや設計会社の起用、造船所の選定、船級や旗国に対する承認など、すべて責任をもって対応します。また、既に搭載されている設備/機器への調整や改造も施す必要があるため、プロジェクトをまとめるためには多岐に亘る関係先と同時併行的に進めていく必要があり、全体調和や時にリーダーシップが要求されています。

規制開始という時間制約がある中で進めていく業務のため、責任を感じることも非常に多いですが、タイムリーに現在の仕事に携わることはとてもやりがいがあります。業界としてもまだまだ未知な世界でもあるため、トライ&エラーを繰り返しながら、少しずつ前に進んでいく日常が楽しくもあります。

印象に残っている仕事

船舶管理会社に出向した際、自動車船がシンガポール沖で他船と衝突し、航行に支障を来すこととなりました。当時連絡を受けたのは夜中の2時過ぎ。すぐに出社し状況を確認、同日中にシンガポールに向かいました。船体のダメージは深刻で、完璧に修繕を施すには多くの時間を要しますが、船は次の商売もあるため、タイムリミットも設定されていました。現地の造船所や船級と種々協議し、1回の修理で完全に修繕することは難しいと判断し、1回目は最低限のスピード・堪航性が保てる仮修繕でとどめることとなりました。仮修繕後、何とか航海に出れる状態になり、次の入渠までに部材手配や各種申請などを済ませて、2回目の入渠工事で無事に完全に回復することができました。結局、この事故の対応工事で船は計1.5か月程不稼働になってしまいましたが、現場での緊張感や、意思決定スピードの重要性、何より改めて船のスケールの大きさを感じることができました。

感じている日本郵船の強み

当社の技術的な強みと言えば、やはり他社に先駆けて新たな分野に積極的に取り組んでいくことでしょうか。航行条件に合わせて船首部を改造したり、世界初のLNG燃料の自動車船の建造といったハード面に加えて、LNG燃料供給船と言った新たなビジネスモデルを構築するようなものもあります。 船内電子通貨の採用や、船のパフォーマンス解析など時流に乗ったIoT分野へも力を入れておりますし、昨年発表したコンセプトシップSES2050に向けて、各種要素技術の実現化についても、グループ会社を協力して取り組んでいます。現在は海事分野だけに捉われず、陸上設備のレーザー錆打ち技術を船舶にも転用できないか、といったことも検討しています。社内的にも社員のアイデアを吸い上げる土壌が醸成されており、あったらいいのに、あれば面白い、と言ったものがどんどん実現しているところは当社の強みであると感じます。

今後成し遂げたいこと

まずはスクラバープロジェクトを完遂することです。既に数隻、工事完了しておりますが、2020年以降も搭載を控える船が多数あります。先行案件では未熟であった部分もあり、予想だにしないトラブルも発生しましたが、今後はトラブルなく、コストも抑えて進めていきたいですね。搭載後にスクラバーが不具合なく、乗組員に不自由なく使用してもらうようにすることに対しても、責任をもって対応していきたいと思っております。

長期的には、まだ海外での勤務がありませんので、もっと広い世界を見て、色々な方々から刺激を受けて、より多くの技術や知見を吸収したいと考えております。漠然とした話にはなりますが、将来的にはエネルギーや海運業界に新たな価値や変化を生み出せるプロジェクトで技術的視点から取組み、完遂に貢献したいですね。水素など次なるエネルギーも出現しておりますので、海運業界として、そして技術者としてビジネスチャンスはあると考えています。

CAREER STEP

2012年10月~2014年3月

技術グループ(現・工務グループ)

新造船(自動車船・石炭船)の図面承認や工程管理を担当

2014年4月~2015年9月

企画グループ付 八馬汽船㈱出向

就航船の船舶管理業務を担当

2015年10月~2017年9月

LNGグループ

国内外の電力・ガス会社向けの新造船を担当。また、新規プラントの技術評価などにも従事

2017年10月~現在

海務グループ

排ガス規制やバラスト水規制など、環境規制対応業務を担当

INTERVIEW

PREV

陸上職事務系
海外勤務

NYK Auto Logistics Vietnam出向
2016年入社

NEXT

陸上職技術系
海外勤務

Tupi Nordeste Operacoes Maritimas社 出向
2009年入社