日本郵船ってどんな会社?イベント

日本郵船 伝統の水上運動会2025──ボートがつなぐ、チームの絆

水上運動会

1917(大正6)年から続く伝統のボート競技大会「NYKグループ水上運動会」は、日本郵船グループの団結力を象徴する恒例行事です。秋空の下、熱気に満ちあふれた1日をレポートします!

日本郵船グループが一つになる、年に一度の伝統行事

10月某日午前8時過ぎ、「NYKグループ水上運動会」が行われる戸田漕艇場(埼玉県)に、参加者たちが続々と集まります。「NYK」「海」「船」などがプリントされた、おそろいのTシャツやポロシャツを着た一団の姿も。早朝から気合い十分、並々ならぬ熱気が伝わってきます。天候は曇りでほぼ無風。東西約2500mの漕艇場は鏡のような水面です。ボート競技には絶好のコンディションとなりました。

第71回となる「NYKグループ水上運動会」には、当初の予定を上回る164チームが参加しました。出場チームは部署や職場単位で構成されます。日々共に働く仲間同士だからこそ、応援にも自然と力が入ります。観客席には各グループ会社の横断幕が掲げられ、家族や同僚が熱い声援を送ります。

競技は全6クラス。「チャンピオンシップ」、漕ぎ手が30代以上の「チャンピオンシップマスターズ」、男女混合の「一般ミックス」、さらに「一般女子」、「一般男子」、「役員」のそれぞれで競われます。どのクラスも予選は300mで、順位とタイムでの上位チームが決勝へと駒を進めることができます。

競技種目は全クラス共通で「コックス(舵手)付きフォア」です。1チームは5人編成で、4人のクルー(漕手)がそれぞれ1本のオールを持ち左右交互に配置されます。コックスはオールを持たない代わりに、舵を操り、レースの状況判断やペース配分、クルーの鼓舞、安全への配慮など重要な役割を担います。

開会式の後、いよいよ熱戦の火ぶたが切って落とされます。クルーがそれぞれのボートに乗り込み、スタートラインへと向かいます。漕艇場の水面にボートの波紋が交錯します。

開会式では参加者を代表し五十嵐創矢(日本郵船・自動車輸送品質グループ)が選手宣誓を行った

開会式では参加者を代表し五十嵐創矢(日本郵船・自動車輸送品質グループ)が選手宣誓を行った

レースは6クラスに分かれ、優勝杯をかけてチームで競う

レースは6クラスに分かれ、優勝杯をかけてチームで競う

観客席には各グループ会社の横断幕が掲げられ、同僚や家族が声援を送る

観客席には各グループ会社の横断幕が掲げられ、同僚や家族が声援を送る

家族や同僚の声援を受けてスタート地点へ。思わずクルーの表情が緩む

家族や同僚の声援を受けてスタート地点へ。思わずクルーの表情が緩む

さあ、全45レースの熱き戦いがスタート!

各艇が所定の位置につき、旗が振られて一斉にスタート!コックスが発する「キャッチ(オールで水をとらえる)」「ロー(漕ぎ始める)」のかけ声が漕艇場に響き渡ります。クルーが力強くオールを動かすたびに、ボートはぐんぐんスピードを上げます。やはりクルーの息の合ったチームは速い!レース終盤はさらにラストスパート、一気にゴールラインをくぐり抜けます。レース後は勝敗にかかわらず、誰もが笑顔。全力を尽くした後の晴れ晴れとした表情が印象的でした。

観客席には家族や同僚の姿も多く、子どもたちが「パパがんばれ!」「ママがんばれ!」と声を張り上げたり、同じ部署の社員がボートに並走して応援したりと、レースだけでなく応援する人々の姿にも胸が熱くなります。

「NYKグループ水上運動会」は実況放送も楽しみの一つ。ボート競技に詳しくない人にも楽しんでもらおうと、二引会漕艇班(日本郵船のクラブ活動の一つ)による競技ルール解説やボート豆知識の紹介も行われていました。

日本郵船グループのクラブ活動「二引会」のすゝめ。創業期から続く伝統 | BVTL Magazine | 日本郵船株式会社

レース結果は、日本郵船DX推進グループとグループ会社の(株)NYK Business Systemsが共同開発した専用スマホアプリによってリアルタイム配信されます。かつては本部前に掲示された紙でしか確認できなかった結果も、2022年に公開されたアプリで場所を選ばずに見られるようになりました。アプリは年々改良され、今年はさらにクルーへの応援コメントも書き込めるようになりました。これも日本郵船グループのDX推進による成果の一つです。

専用スマホアプリの画面

専用スマホアプリの画面

ひときわ大きな声援が送られた「役員」クラス。日本郵船役員チームは手作りの似顔絵ゼッケンを着用して参加

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「一般ミックス」クラス

「一般ミックス」クラス

「一般男子」クラスに出場した「感動物流」チーム。プロジェクトから生まれた作業服で参加 日本郵船の新発想「感動物流」が変革する未来とは? | BVTL Magazine | 日本郵船株式会社

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日本郵船の新発想「感動物流」が変革する未来とは? | BVTL Magazine | 日本郵船株式会社

受け継がれるボート競技の系譜

ボート競技というスポーツで、何より大切とされているのがチームワーク。個々の力量だけでなくクルーが心を一つにすることが求められます。この精神は企業活動においても欠かせないものです。
そもそも日本におけるボート競技は、幕末に居留外国人が持ち込み、次第に学生や実業団の間に広まっていったとされています。日本郵船は、1885(明治18)年の創立当初、横浜に支店を構えており、文明開化で西洋文化を取り入れる機会の多い場所柄と時代背景のもと、社員たちが外国人漕艇クラブと交流するうちに、次第に社内でもボート競技が行われるようになっていきました。これが現在の「NYKグループ水上運動会」につながっているのです。戦争や不況、コロナ禍など幾多の困難を乗り越え、創業の精神とともに絶えることなく現在まで受け継がれているのです。

クラスを問わず熱戦が繰り広げられた。チームワークが勝敗の分かれ目!

クラスを問わず熱戦が繰り広げられた。チームワークが勝敗の分かれ目!

花形種目である「チャンピオンシップ」優勝の日本郵船LNGグループ。表彰式で日本郵船・曽我貴也社長と記念撮影

花形種目である「チャンピオンシップ」優勝の日本郵船LNGグループ。表彰式で日本郵船・曽我貴也社長と記念撮影

「NYKグループ水上運動会」は日本郵船の社員たちが自ら運営しています。運営スタッフの一人で競技の審判長を務めた富澤優貴(企画グループ)は、大学ボート部出身で、二引会漕艇班の一員でもあります。本大会は、富澤を中心とする運営チームが各部署と緊密に連携しながら準備を進めてきました。「ボート競技は何よりクルーが心を一つにすることが大切」と語る富澤。受付、スタート、ゴール、記録など、運営の各現場においてもその精神は共有されています。そう、日本郵船グループ社員のチームワークにより、伝統の水上運動会は支えられているといっても過言ではないのです。

富澤優貴(日本郵船・企画グループ) コックスとして「一般男子」レースにも出場し好成績をマーク

富澤優貴(日本郵船・企画グループ)
コックスとして「一般男子」レースにも出場し好成績をマーク

社長も応援に駆け付ける、グローバルな日本郵船グループ団結の象徴

白熱したレースが繰り広げられた大会の締めくくりは閉会式です。グローバル企業の日本郵船グループらしく、多様なルーツを持つ社員にも配慮して、曽我貴也社長自ら英語でスピーチを行いました。

「歴史ある『NYKグループ水上運動会』は日本郵船グループの団結力を示す大会です。日本郵船グループは3万5千人の仲間とその家族に支えられ、成り立っています。皆さんが団結することで日本郵船グループはよりいっそう強くなります。今年もその団結を示すことができました。また来年もここでお会いしましょう!」(以上、日本語要約)

熱気にあふれた1日は、来年への期待とともに幕を閉じました。

ボートは5人のクルーが息を合わせてこそ前に進めます。そして、たとえ経験の浅いメンバーがいても、団結すれば予想を上回る結果を生み出せます。クルーの力だけでなく、周囲の声援も欠かせません。大きな声援を受けて劇的な追い上げを見せるチームも少なくありませんでした。この「船上の仲間を全力で支える」という精神こそが日本郵船グループのチームワークの原点なのです。

閉会式で挨拶する曽我社長。経営陣と社員の距離が近くなるのも「NYKグループ水上運動会」ならでは

閉会式で挨拶する曽我社長。経営陣と社員の距離が近くなるのも「NYKグループ水上運動会」ならでは