2025年09月30日
日本郵船とMOONRAKERSが現場のウェルビーイングを追求した新ユニフォーム開発へ
物流業界のイメージ向上・販売事業へつなげる
日本郵船株式会社
MOONRAKERS TECHNOLOGIES
日本郵船株式会社(以下「日本郵船」)と東レ株式会社発のスピンオフベンチャー、MOONRAKERS TECHNOLOGIES(ムーンレイカーズ・テクノロジーズ)株式会社(以下「MOONRAKERS」)はこのほど、物流現場を支える社員の快適性にフォーカスしたユニフォーム開発での連携を開始しました。
日本郵船の運航船や日本郵船グループ唯一の造船所である京浜ドック株式会社(以下「京浜ドック」)をはじめとする物流現場での、MOONRAKERSウェアのトライアルを実施し、現場の声を収集します。今後、収集したデータを元に反映したユニフォーム作りを進め、船員の労働環境に合わせたインナーの開発・販売や、一般消費者向け販売を目指します。
MOONRAKERS 西田 誠 代表取締役(右から2人目)と日本郵船 感動物流(注1)メンバー
これまで船上や造船所で使用するユニフォームは、特殊な作業環境に特化されて開発されたものではなく、汎用的なユニフォームが使用されてきました。日本郵船は、MOONRAKERSが活用している、JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)と東レが共同開発した、極限環境である宇宙空間(長期閉鎖空間である国際宇宙ステーション)においても快適性を提供する高レベル機能を搭載した「MOON-TECH®(ムーンテック®)」に着目しました。長期間の船上生活でも快適性、利便性を提供するユニフォーム製作に取り組むことで、船員や造船所などで働く社員のウェルビーイングの向上と物流業界に対するイメージの向上を狙います。
この取り組みは物流の価値を再定義し、社会に新たな判断基準を浸透させることを目指す、日本郵船発のプロジェクト「感動物流」の一環です。なお、日本郵船では、今回のMOONRAKERSとの共同開発および実証試験のみならず、多摩美術大学との産学共同研究など、幅広いコラボレーションを通して本活動を大きく展開していきます。
(注1)感動物流
日本郵船が2019年に創設した人材育成プログラム「NYKデジタルアカデミー」の卒業メンバーが立ち上げたプロジェクト。物流に求められる新しい価値・判断基準が社会に浸透する仕組みづくりの取り組みであり、過去からあるさまざまな「モノサシ」の次の手を、社会に提供し続けることが目的。物流を通じて問題提起に繋がるアイデアの構築、実証実験に取り組んでいます。感動物流の取り組みについて、詳しくは日本郵船のオウンドメディア「BVTL Magazine」をご覧ください。
https://www.nyk.com/stories/
連携の背景
① 現場ニーズと製品開発力の融合
船上や造船現場では、閉鎖された船上空間での長期生活や、高温多湿など過酷な作業環境にさらされることがあり、機能性の高いウェアの需要が高まっています。日本が誇る先端テクノロジーを搭載した「進化する服」を開発するMOONRAKERSと日本郵船が協働することで、作業者が実際に必要とする高品質・高機能なユニフォームを作り上げることを目指します。
② 物流業界へのイメージ向上と国内繊維産業を後押し
物流業界には「過酷」「労働集約型」といったイメージが根強く、若い人材の確保が課題となっています。また、国内の繊維産業も生産拠点や企業数が1990年代をピークに減少傾向にあります。本取り組みは、日本郵船が推進する“感動物流”による業界イメージの刷新と、日本が誇る先端技術を搭載した「進化する服」を通じて、ユーザーと共に快適で便利で美しい「未来の生活」の創造を目指すMOONRAKERSの想いが一致し、実現に至りました。
これまでの活動
・船員へのインナーウェアトライアル
日本郵船グループが運航するLNG船と自動車専用船の船員および船舶管理会社の監督に対し、MOONRAKERSが開発した最新の機能ウェアのトライアルを実施しました。船上という労働環境で求められる真のニーズを発掘すべく、今後、着心地や快適性に関する船員からのフィードバックを基に独自の製品開発を進めます。
トライアルの様子
・京浜ドックとの連携と地域社会への波及
京浜ドックにおいて、造船技術者のニーズに即したユニフォーム開発し、臭いやべた付き、汗ジミ、汚れ、重さや突っ張りなど、作業環境下における不快要素を軽減するTシャツの供給を進めました。またこのTシャツでは、単に機能性の提供に留まらず、働く人々がプライドを持ち業務に向き合えるデザインにもこだわり抜きました。最新の繊維技術(DTFプリントなど)を駆使し、京浜ドッグが製造した世界初の商用アンモニア燃料船「魁」の設計図を背面にプリントしました。京浜ドック社員からは「自分たちの仕事に誇りをもてる」と好評でした。
物流のサプライチェーンを支えているのは、海運業、物流業、造船業の現場で働いている一人ひとりの社員です。日本郵船グループが進める「感動物流」と、MOONRAKERSの「目の前の一人を感動させることに全力を尽くす」理念は大きく共鳴し、今後過酷なイメージがある物流現場をRe-Designすることで、物流業界がより魅力的な職場となるような仕組みづくりを進めます。
MOONRAKERS のTシャツを着た京浜ドック社員一同
各社概要
日本郵船
概要:1885年創業の国内最大手の海運会社。886隻の船舶を運航し、グループ全体で約35,000人の従業員が600を超える拠点で働いている(25年3月時点)。
ウェブサイト:https://www.nyk.com/
MOONRAKERS
東レグループ発のスピンオフベンチャー。宇宙技術も搭載した「過剰なほどの機能性」を持つ先端素材「MOON-TECH® (ムーンテック®)」を開発。ユーザーとともに快適で便利で美しい「未来の生活」の創造を目指す。
ウェブサイト:https://moonrakers.jp/
京浜ドック
日本郵船グループ唯一の造船所。経営理念は「創・造・楽」。2024年8月には世界初の商用利用のアンモニア燃料タグボートを建造。現在は日本初の国内メーカー製モータードライブシステムを搭載した電気推進タグボートを建造中。
ウェブサイト:https://www.keihindock.co.jp/
以上
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