プレスリリース

船員の暮らしを軸に考案 船上空間デザインの最終報告会を開催

“感動物流×多摩美” 作業品質の向上で快適な船上生活をサポート

当社と学校法人多摩美術大学(以下「多摩美術大学」)は9月26日、当社本店(東京都千代田区)で産学共同研究プロジェクト第2弾『Cozy・Comfy ~ 働く/暮らしの中にある喜び』の最終報告会を実施し、多摩美術大学生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻 Studio3の修士1年生と学部3、4年生の計17名が、デザインの力で『働く』と『暮らす』を豊かにする次世代の船上ウェルビーイングを提案しました。この取り組みは物流の価値を再定義し、社会に新たな判断基準を浸透させることを目指す、当社発のプロジェクト「感動物流」(注1)の一環です。また、多摩美術大学が2021年より複数の企業と連携しながら取り組むSDGs時代の廃棄物循環型経済モデル「すてるデザイン」プロジェクトの一環でもあります。

報告会の様子

学生が提案したアートプロダクト「カラフルウェーブ」
花のモチーフが光や色を反射し、ウェルビーイングを高める船上空間を創出する

学生らは、船上生活における居心地や快適さの要因を空間デザインに反映させ、船室のレイアウトや家具、照明などに関する具体的なデザインを発表しました。発表された作品の一つ「カラフルウェーブ」は、色彩が限られがちな船内空間という課題に対し、花のようにインテリアへ彩りを添えるアートプロダクトです。花をモチーフにした有機的な曲線の金属パネルが光や色をさまざまに反射し、見る角度によって空間の表情を豊かに変えます。この視覚的な変化で船員の気分転換を促し、ウェルビーイングの向上につながる心地よい空間のあり方を提案しました。

なお、多摩美術大学との産学共同研究の第1弾は、2023年4月から開始した『KRAFT & LOOP ~船員のウェアデザイン〜』でした。同大が培ってきたデザイン力と創造力を生かし、新たな価値創出や課題解決に取り組みました。学生たちは「モノを長く使うため」「循環させるため」のリサーチと自動車専用船でのフィールドワークや船員へのヒアリングを行い、船員のウェルビーイングを満たしながらも循環型社会にかなうユニフォームのあり方を発表しました。

詳しくは日本郵船のオウンドメディア「BVTL Magazine」をご覧ください。
https://www.nyk.com/stories/

当社 イノベーション推進グループ 湯原慶グループ長  
本件は、日本郵船グループが多摩美術大学のみなさんと協力して、物流の枠を超え、人々の心に響く価値を届けることを目指し、産学連携や船員のウェルビーイング向上など多面的な取り組みを進めることを掲げる新たな挑戦です。社会課題の解決に貢献する“感動”を、この取り組みを通じて現場から世界へ発信していけることを、大変うれしく思います。

当社 海洋事業グループ 海洋事業第二チーム 中川大輔チーム長
船員は最も重要な人的資源であり、大切な仲間です。多摩美術大学の皆さんと共創し、デザイン提案を通じて、船内環境の改善だけでなく、船員の誇りや働く意欲にも焦点を当て、社会実装を目指しています。感動物流のメンバー一同は、この大きな構想をワクワクしながら推進し、困難を乗り越えつつ、未来の価値創造に向かって進んでいきます。

多摩美術大学 美術学部 生産デザイン学科 プロダクトデザイン専攻 濱田芳治教授
日本郵船グループとのプロジェクトは、今回で2回目となります。前回の取り組みである船員ユニフォームのデザイン提案は、船上での社会実装のフェーズに進んでおり、参加した学生たちの大きな学びと自信になっています。今回の提案は、船での暮らしの快適さや働く喜びを高めるデザインを目指しており、それらから実際に船員のウェルネスを向上させる体験が生まれることを期待しています。

同学 尾形 達准教授
学生の観点は船内での快適さにとどまらず、船員の誇りや働くモチベーションまで及んでおり、今回は22点以上の幅広い学生提案が生まれました。今後、これらの観点が船内・船員のみならず様々な暮らしのヒントになれば幸いです。

(注1)感動物流
当社が2019年に創設した人材育成プログラム「NYKデジタルアカデミー」の卒業メンバーが立ち上げたプロジェクト。「物流に求められる新しい価値・判断基準が社会に浸透する仕組みづくり」の取り組みであり、過去からある様々なモノサシの次の手を、社会に提供して続けること。物流を通じて問題提起に繋がるアイデアの構築、実証実験に取り組んでいる。

(注2)すてるデザイン
多摩美術大学が活動のテーマとして掲げる「オープンイノベーション」の第一弾として、複数の企業と連携しながら進める社会課題解決型のプロジェクト。 Project|美術大学によるSDGs時代の廃棄物循環型経済モデル「すてるデザイン」始動

以上

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