2025年09月24日
液化アンモニア2万3千トンの船間移送に成功
STS方式で、アンモニアの輸送供給体制構築に前進
当社が保有し三井物産株式会社に定期用船中のアンモニア輸送船「BERLIAN EKUATOR」は9月2日、スペイン・セウタ沖の公海上において、大手アンモニアトレーダーのTrammo社が運航するアンモニア輸送船「ECO ENCHANTED」へShip to Ship(STS)方式(注1)による液化アンモニア約2万3千トンの大規模移送(以下「本オペレーション」)に成功しました。
本オペレーションの様子
右側から、アンモニア輸送船「BERLIAN EKUATOR」と「ECO ENCHANTED」
当社はこれまで、重油や液化天然ガス(LNG)、液化石油ガス(LPG)のSTS 方式による移送の実績がありますが、液化アンモニアでの実施は今回が初めてとなります。STSの分野で豊富な経験を持つTrammo社およびSTS専門プロバイダー(注2)のInternational Fender Providers Ltd.社の支援のもと、当社が長年にわたり培ってきた高度な安全管理体制とSTSオペレーションのノウハウを活用し、「BERLIAN EKUATOR」に貨物として積載していた液化アンモニアの全量である約2万3千トンを安全に移送しました。
液化アンモニアの移送オペレーションの様子
アンモニアは、既存の肥料・化学品用途に加えて、燃焼時に二酸化炭素(CO₂)を排出しない次世代のクリーンエネルギーとして、船舶燃料をはじめとする多様な用途での活用が期待されています。今後の需要増加が見込まれる中、従来の陸上への荷役方式と比較して、港湾の規模や陸上設備の制約を受けないSTS方式は柔軟性の高い供給手段として注目されており、本オペレーションの成功はアンモニアの国際的な供給網構築に向けた重要なマイルストーンとなります。
当社は、本オペレーションを通じて得られた知見と経験を今後の事業展開に活かし、脱炭素社会の実現に向けた次世代燃料の普及と安全な海上輸送体制の構築に引き続き貢献していきます。
(注1)船舶に積載された貨物を、船から船へ直接移送する方式
(注2)STS方式による安全なオペレーションの実施をサポートするための安全管理や機材の提供などを行う専門業者
以上
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