• プレスリリース

アンモニアReady LNG燃料船のコンセプト設計完了

LNGからアンモニアへ燃料転換可能なネクストブリッジソリューション

日本郵船株式会社
株式会社MTI
Elomatic Oy

日本郵船株式会社(以下「日本郵船」)、株式会社MTI(以下「MTI」)およびフィンランドの船舶技術コンサルタント会社であるElomatic Oy (エロマティック・オーイー、以下「エロマティック」)は、アンモニア燃料への転換を前提に置いたLNG(液化天然ガス)燃料船(以下「アンモニアReady LNG燃料船」)のコンセプト設計を完了しました。

1.プロジェクトの概要

日本郵船及びMTI(以下「当社グループ」)では、外航海運事業における温室効果ガス(以下、GHG)排出量削減の長期目標を、「2050年までのネット・ゼロエミッション達成」と定め、現在はLNGを主燃料としたLNG燃料船の船隊整備を進めております。当社グループは、LNG燃料船をブリッジソリューションの一つと位置付けており、将来的にはアンモニアや水素など、より環境負荷の低い舶用燃料を使用するゼロエミッション船の投入を目指しています。

本プロジェクトでは将来的にアンモニアが次世代の舶用燃料として普及する事を想定し、LNG燃料船を効率的にアンモニア燃料船に改造・転換する事が可能なアンモニアReady LNG燃料船の建造を目指し、当社グループ及びエロマティックで、コンセプト設計の検討を昨年9月に開始しています。

コンセプト設計とは、船会社の船舶運航に関する知見を活かし、建造する船の積荷量、航続距離、船速、燃料容量等船の仕様を検討した設計のことです。将来、造船会社と船を建造する際には、このコンセプト設計を満たせるように設計をします。

2.今回の成果

2021年9月から2022年2月末までの期間をPhase1として、LNG燃料を主燃料とする自動車専用船、ポストパナマックスバルカーについてアンモニアReady LNG燃料船のコンセプト設計を行いました。今回は主に以下項目について研究し、同時に、今後の技術確立が必要な課題の抽出を行いました。

・積載するタンクの材質
・LNGよりも体積が大きいアンモニアに対する、追加タンクの配置の検討
・タンクが追加されることによる船体構造強度及び復元性
・アンモニアを主機関及び船内で供給する装置
・アンモニア燃料を安全に使用するための船級規則などルール面の整備状況の確認等

<アンモニアReady LNG燃料船のコンセプト(イメージ)>

3.今後の取り組み

今後、22年6月までの期間をPhase1.5として、LNGを主燃料とするケープサイズバルカー及び超大型原油タンカーについて、同様のコンセプト設計行います。さらにPhase2として22年末を目標にコンセプト設計で得られた最適な燃料タンク配置やアンモニア燃料供給装置、船体構造強度を、実際の設計に落とし込み、造船所及び舶用メーカーと実際のアンモニアReady LNG燃料船の設計を進めます。

本プロジェクトは、実際の建造船の設計が完成した際に完了となりますが、今後はLNG燃料船からアンモニア燃料船へ支障なく移行できる輸送サービスを顧客・取引先へ提案し、23年にアンモニア Ready LNG燃料船の契約、25年竣工を目指します。

<本プロジェクトの今後のスケジュール概要>

※23年契約の船種は未定

当社グループは、ESGの経営戦略への統合を更に加速させることを掲げた、「NYKグループ ESGストーリー」※を2021年2月3日に発表し、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献する活動を進めています。当社グループのESG経営を力強く推し進めるべく、今後アンモニアReady LNG燃料船プロジェクトを進め、ゼロエミッションの実現に向けて取り組み「Sustainable Solution Provider」として新たな価値創造をしてまいります。

<各社概要>

【日本郵船株式会社】
本社:東京都千代田区
代表者:代表取締役社長 長澤仁志
ウェブサイト:http://www.nyk.com/

【株式会社MTI】
本社:東京都千代田区
代表者:代表取締役社長 石塚一夫
株主:日本郵船株式会社100%
ウェブサイト:https://www.monohakobi.com/ja/

【Elomatic Oy】
本社:フィンランド トゥルク市
代表者:Patrik Rautaheimo CEO
ウェブサイト:https://www.elomatic.com/en/

※NYKグループ ESGストーリー
当社グループにおいて、ESGを経営戦略に統合するための考え方と具体的な取り組みを明示する指針。詳細は以下プレスリリースからよりご覧いただけます。
https://www.nyk.com/news/2021/esg-story_01.html

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以上

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