• プレスリリース

LPGを燃料とするVLGC2隻の建造契約を締結

温室効果ガスの排出を低減

当社は、当社初となる、LPG(Liquefied Petroleum Gas、液化石油ガス)も燃料として使用できる二元燃料エンジンを搭載したVLGC(Very Large Gas Carrier、大型LPG運搬船)2隻を、川崎重工業株式会社(社長:橋本 康彦、本社:東京都港区)へ発注しました。今後、両船は同社坂出工場にて建造され、いずれも2022年の竣工を予定しています。

今回の発注船は、LPGを燃料として使用する場合、当社従来船の燃料油焚きに比べ、排気ガス中の硫黄酸化物(SOx) が85%以上、二酸化炭素(CO2)が15%以上削減されることになります。
これは、2020年1月から強化されたSOx排出規制(注1)のみならず、竣工時のCO2排出量規制であるEEDI(注2)フェーズ3にも適合しています。また、本船はデッキ上に燃料タンクを装備することで、貨物とは別に燃料用のLPGを積載することが可能で、船の大きさを維持しながらも、LPG燃料による航続距離の伸長を実現しています。
今後、環境に配慮した船隊整備を進めることで、低炭素な輸送モードをお客さまに提供するとともに、重大な社会課題である環境負荷の低減に寄与し、持続可能な地球社会の実現に貢献します。

LPG燃料VLGCのイメージ


<本船概要>
全長:約230.00 m
型幅:37.20 m
深さ(型):21.90 m
夏期満載喫水(型):11.60 m
積載容量:約86,500 m3(うち、デッキタンク容量 2,500 m3)


当社グループは、ESGの経営戦略への統合を更に加速させることを掲げた、「NYKグループ ESGストーリー」※を2021年2月3日に発表し、よりクリーンな輸送サービスの提供を通じてSDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献する活動を進めており、今回のLPG燃料VLGCの建造はその一環です。当社グループはESG経営を力強く推し進めるべく、気候変動に対応した事業戦略を通じ、「Sustainable Solution Provider」として新たな価値創造を推進してまいります。

※NYKグループ ESGストーリー
当社グループにおいて、ESGを経営戦略に統合するための考え方と具体的な取り組みを明示する指針。詳細は以下プレスリリースよりご覧いただけます。
https://www.nyk.com/news/2021/esg-story_01.html

(注1) SOx排出規制
2015年1月から欧米の排出規制海域(ECA)において、燃料中硫黄分0.1%以下のSOx排出量規制が実施されています。また、2020年1月からは、その他の世界の全海域を航行する船舶に対し、燃料中の硫黄分が0.5%以下の燃料を使用するか、排ガス中からのSOxを同等に低減する代替装置を使用することが義務付けられます。

(注2) EEDI(Energy Efficiency Design Index)規制
1トンの貨物を1マイル運ぶ際に排出されるCO2のグラム数として定義されるエネルギー効率設計指標(EEDI)を用いて新造船の省エネ性能の規制値への適合を強制する国際規制。EEDI規制値は建造契約日と引渡日に応じて段階的に強化される。VLGCやLNG船など一部の船種では、2022年以降の建造契約船からフェーズ3(基準値から30%のCO2削減)が要求されています。

以上

掲載されている情報は、発表日現在のものです。
その後、予告なしに変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。