2026年10月02日
創業141周年を記念し社長があいさつ
日本郵船株式会社(以下「当社」)は10月2日、本店15階ホールで創業141周年記念式典を開催し、代表取締役社長の曽我貴也が当社グループ社員に向けてあいさつをしました。
本日、皆さんと共に創業141周年を迎えられることを大変うれしく思います。日本郵船グループの社員一人ひとりの日々の尽力に、心から敬意を表します。
昨年、私たちは大きな節目である創業140周年を迎えました。141周年となる今年は、未来へ向けた新たな一歩の年です。皆さんと共に、さらに大きく飛躍していきたいと思います。
創業記念日の節目にあたり、いくつかお話しします。
まず、現在の世界情勢と、私たちを取り巻く事業環境について。
世界では、大国間の対立や分断、平和を脅かす出来事が今なお続いています。
世界分業やグローバライゼーションに逆行する動きが、本当に世界の繁栄につながるのかという疑問がある一方で、各国が経済安全保障を守らなければならない現実もあります。その中で、私たちは“Bringing value to life.”をどのように実現するのか、視点を変えて考える必要があります。他方、ウクライナや中東の問題はなお時間を要しますが、世界経済は総じて堅調です。米国の景気と購買力が高い水準を保つ限り、コンテナ、自動車、ドライ、エネルギー、物流の各部門で成長が見込まれます。各事業部門には、中期経営計画に基づく方針に沿って、弱点を補い、機会を確実に捉え、レジリエントな体質づくりを続けてもらいたいと思います。ただし、金利上昇を中心とする金融政策が米国の購買力や世界経済に与える影響には注意が必要です。状況によっては悪影響も想定されるため、拡大一辺倒ではなく、必要に応じて適切に身を縮める柔軟性を持つことが重要です。
次に中期経営計画について。
2023年度を初年度とする中計も今年が4年目の最終年度となります。
現中計の柱の一つである資本政策では、拡大した自己資本を理想的な水準へ近づけ、バランスシートを適正化することに取り組んできました。これまで積み上げたキャッシュフローを、追加的な株主還元と成長投資にバランスよく振り向けた結果、ほぼ計画通りに進んでいます。この点については、私自身も行っている国内外の投資家との面談、いわゆるIR活動でも多くの投資家からポジティブな評価をいただいており、中計期間における株価上昇にもつながっているかなと考えています。
もう一つの柱である「既存中核事業の深化」と「新規成長事業の進化」についても、必要な船種への更新投資はもとより、M&Aや事業統合を通じて各部門の強化を進めてきました。エネルギー関連ではENEOSオーシャンの事業・アセットの約8割を承継する形でNYK Energy Oceanを設立しました。ドライバルク関連は、国内関係会社3社を統合してNYK バルクシップパートナーズを設立し、SAGA Welcoの100%子会社化やNSユナイテッド海運へのTOBにも取り組んでいます。物流関連では、郵船ロジスティクスグループによる欧州ヘルスケア専業物流会社Movianto社の買収を進めました。これらはいずれも、各事業の競争力を高め、将来の安定収益の基盤になるものと確信しています。
CXでは、報酬水準の引き上げにとどまらず、船員や技術者を含む世界中の仲間の活性化に向け、まず私たち自身の意識を変えることが重要だと考え、さまざまな施策や制度づくりを進めています。DXでは、AI活用に対する一人ひとりの意識を高める活動に加え、グループ全体に関わるシステムのグランドデザインを検討する体制も整えました。
EXでは、洋上風力関連事業の知見を高めるために欧州有力会社を子会社化し、日本でのCTV運営や国産CTVの開発につなげています。また、船舶燃料の転換という課題に対しても、次世代燃料として期待するアンモニア燃料船の検証・開発を、多くの日本企業の協力を得ながら着実に進めています。さらに、ロケットの洋上打ち上げ・回収のプラットホームや洋上データセンター構想など、日本郵船グループが誇る技術力を結集した新規事業についても、構想の具体像を内外にお示しできる段階へと着実に近づいています。
また、日本が抱える社会課題の解決に向けて、例えば、船員不足への対応策となり得る自律運航船の開発・実証では日本海洋科学が重要な役割を担い、日本の海事産業の再活性化に向けた産官学の取り組みではMTIが先導役として活動をリードしています。これらはいずれも、日本郵船グループだからこそ実現できる、「総合物流企業の枠を超えた」挑戦の証しです。
現中計の最終年度となる今年度は、皆さんとともにこれらのいくつもの取り組みを立ち止まることなくしっかりと進め、次の中計にバトンをつないでいきたいと考えています。
来年度から始まる新中計は、社内での議論も最終案に向けて大詰めを迎えています。現中計策定時に置いた仮説を検証し、想定通りに進んでいない部分を見直すとともに、新たな仮説を立てていきます。バランスシートの適正化を大きな柱の一つとしていた現中計に対し、ほぼ適正化を果たしたところからスタートする新中計は資本政策の考え方も当然変わってくるでしょう。また、これまで数字で示しにくかった成長投資のリターンや、世界中の仲間のそれぞれの成長への思いも、しっかり反映したいと考えています。さらに、日本郵船グループの競争力の源泉である技術力に一段と焦点を当て、差別化につなげていきます。
新中計の策定にあたっては、すでに国内外の多くの部門の仲間にご協力いただいています。最終化に向けて、引き続き一層の協力をお願いします。
最後に、横浜移転についてお話しします。
現在私たちがいる丸の内の郵船ビルは、二代目の建物です。
初代の郵船ビルがこの地にできたのが1923年、そしてこの二代目郵船ビルができたのは1978年です。
そして49年目となる来年このビルも取り壊され、三代目郵船ビルの建設が始まります。
東日本大震災という大きな試練を乗り越えてきたこの郵船ビルですが、この度老朽化に伴い、建て替えを決断しました。
49年にわたり私たちの事業を支えてくれた二代目郵船ビルへの感謝を込めて、いくつかのプロジェクトを進めています。その一つが、初代郵船ビルの歴史や二代目郵船ビルの竣工当時の姿を紹介するデジタルアルバムの作成です。なぜ1923年に、この丸の内2-3-2という一等地に郵船ビルを建てることができたのかなど、私たちが知りたい疑問への答えも含めた内容になります。
この郵船ビルで過ごす残り少ない時間を、皆さんにもぜひ愛着を持って過ごしてほしいと思います。
そして、来年春からはいよいよ新しい横濱ビルディングへの転居が始まります。通勤時間がこれまでより長くなる方がいること、特に保育所などへの送迎がある方にとって負担が大きいことは十分認識しています。その負担を少しでも軽減できるよう、労働組合と共に複数の施策を検討し、実行していきます。皆さんのご理解を得ながら、素晴らしい機能と眺めを備えた新しい横濱ビルディングで、これまでと同じように楽しく共に働けることを心から願っています。
時代の大きなうねり、事業環境の変化、そして職場環境の変化は続きます。それでも私たちは、これまで通り、明るく、大胆に、そしてしなやかに、誰一人取り残すことなく、皆でこの時代を乗り越えていきましょう。
以上、私の創業記念日のあいさつとさせていただきます。
以上
掲載されている情報は、発表日現在のものです。
その後、予告なしに変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。