プレスリリース

商事始め式で社長あいさつ

当社は2026年1月5日、東京都千代田区の本店で商事始め式を開催し、代表取締役社長の曽我貴也が新たな年にあたりあいさつを述べました。

皆さん、明けましておめでとうございます。晴天の下、いよいよ2026年が始まりました。
こうして日本郵船グループの皆さんとともに新年を迎えられること、大変うれしく思います。年頭にあたり、一言ごあいさつ申し上げます。

昨年の新年あいさつにおいて、蛇年の「乙巳(きのとみ)」という干支(えと)の意味から「変化や困難に直面してもしなやかに対応し幾つもの変革をしっかり進めていこう」とお話ししました。まさしく昨年は第2次トランプ政権の発足からスタートし、追加関税問題で世界中が右往左往することとなりました。ロシア・ウクライナ問題も和平方向に行くかと期待すればまた戻ったり、イスラエル・ハマス間の対立では表面的な和平の裏でただただ憎しみばかりが増長したりという事態が続き、史上初の女性首相が誕生したわが国では変革への期待を示す高支持率の中で中国政府による日本への強硬的対応が発生するなど、1年を通して絶えず予測不能なことが多発した年だったといえます。そんな中でも、日本郵船グループの皆さんにはぶれることなく自分のやるべきことをしっかりとやっていただき、また絶え間なく飛んでくる変化球にしなやかに対応していただいたおかげで、一定の変革の成果、そして各事業での足腰の強化ができています。また、船や物流現場での安全管理の徹底で、重大事故の発生もありませんでした。皆さんの日頃からの尽力に心から敬意を表したいと思います。

さて、新年早々の1月3日に米国によるベネズエラへの軍事介入がありましたが、今年2026年は一体どういう年になるのか。
前々から申し上げていますが、追加関税という大きな障害があっても、また局地的に地政学上の問題が顕在化しても、今のところ国際海運ならびに物流の分野で壊滅的なダメージを受けているわけではない理由の一つは米国の経済が好調であること、米国国民の購買力が維持されていることです。具体的に、例えば、全世界から米国に入っていく実入りコンテナ数量は24年比較でも変わっていません。アジアから米国に入っていく実入りコンテナ数量も同様です。むしろ少しだけ増えています。24年比で減らしているのは中国出しですが、それを他国が補い全体として米国の輸入コンテナ数は変わっていないという構図です。米国での自動車販売数も24年比で変わっておらず、年間約1600万台と極めて高水準にあります。
ただ、昨年10月後半くらいから、米国での一般消費財価格の値上がりが顕著になってきているようで、トランプ政権の経済政策に対する批判も強まっていると聞きます。米国経済の行方、なかんずく米国民の購買力が維持されるのかが大きな注目ポイントといえます。中間選挙を11月に控えているトランプ政権はあの手この手の国内経済政策を打ち出すでしょうし、かつ関税影響もほぼ一巡したので、26年は徐々にまた回復するとの分析もありますが、米国経済は世界の景気、ひいては私たちの事業にとってもアキレス腱(けん)ですから、注意深く風を察知していきましょう。
 
他方、いまだ着地点の見えない日中関係ですが、本体ならびにグループ各社で中国事業を展開しているところは、いたずらにおじけづくことなく、しかし慎重に影響を先読みしながら、顧客や現地パートナーとの関係維持、事業の遂行にあたってほしいと思います。
また世界中が早く終結してほしいと願っているロシア・ウクライナ問題が、本当に近く和平が成立すれば、その復興に向けて私たちがお役に立てるのは間違いありません。海上輸送も物流もしっかりと準備運動をしておきたいです。

さて、今年4月から始まる2026年度は現中計の最終年度であり、また創業141年目となる年です。これまでの3年間で、各事業での足腰の強化、将来の安定的なリターンに向けてのいくつかの戦略的M&Aの実行や船舶投資、脱炭素戦略に沿った技術開発や新規事業におけるAll-Japanでの共創、資本効率向上に向けた施策、社員の皆さんが誇りをもって生き生きと活躍できる制度の導入や賃金の改定など、AX・BX・CX・EXのそれぞれで一定の成果をあげつつ順調に進捗(しんちょく)していると思います。2026年度は総仕上げの年とも言えますが、それにこだわらず年度を超えても必要なアクションを積み重ねていければよいと思っています。

そんな中でこれからさらに強化していきたいのがDX(デジタルトランスフォーメーション)の分野です。肉まんプロジェクト(注1)による基幹システムの移行も無事完了しましたが、この変更によってわれわれが目標としている業務プロセスの大幅な効率化、経営施策に適するアウトプットの自動化等、これからその具体策をグループ各社も含め、全社横断的に行っていく重要なプロセスに入ります。   
またAIの活用について、基幹システムでの運用といった大仕掛けなものもさることながら、私が常々お話ししている「機械ができることは機械にやらせる」ということを各個人のレベルでAIを利用し草の根的に業務プロセスの改善にチャレンジしてほしいと思います。今年はこのための特別なキャンペーンの展開も予定しています。

サイバーセキュリティーも船上を含め各個人のレベルでしっかり取り組んでほしい分野です。他社事例などからも、いったんこじ開けられた穴の修復には莫大な人手と時間、さらに商流や信用の逸失を伴うことは明白です。グループとして各社のセキュリティーレベルの均一化とともに高度な防御態勢を築いているものの、個人のレベルでのささいなミスが防御の壁に穴を開けてしまう可能性は否定できません。日本郵船本体も含めグループ各社の皆さんに定期的に抜き打ちで訓練メールが発信されていることをご承知と思いますが、会社支給のもののみならず各種のデバイスを使う際は各人十分な注意を払うことを改めてお願いします。

日本郵船は今年度創業140年を迎え、改めてこの歴史の重みを感じつつ、ここまで支えてくださった先輩社員・現役社員、グループ各社の皆さん、お客さまをはじめ全てのお取引先、株主の方々への感謝の意を伝える施策を行っています。世の中ではこれまで以上に国家安全保障や経済安全保障がクローズアップされ、戦後長年培ってきた自由で開かれた世界貿易の秩序に逆行するような政治が行われつつありますが、世界中の人々の暮らしと文化を支えるため、グループミッションでもあり私たちのDNAでもある“Bringing value to life.”を胸に、創業141周年となる2026年度、皆さんとともに新たな一歩を踏み出したいと思います。

最後になりますが、日本郵船グループの社員の皆さん、そしてご家族の皆さんが健康で安全にこの1年を過ごせますよう、さらに日本郵船ならびに各グループ会社が事故なく着実に発展する2026年となることを祈念して、私の新年のあいさつといたします。ご清聴ありがとうございました。

(注1)業務変革、働き方の次世代化を目指す社内プロジェクト。

以上

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