2025年11月25日
脱炭素戦略の進捗をまとめた「Progress Report 2025」(英語版)を発表
2050年GHG排出量ネットゼロ目指す取り組みの全容を詳細報告
当社は11月25日、一昨年11月に発表した当社グループの脱炭素戦略「NYK Group Decarbonization Story」(以下「NDS」)の現在までの進捗状況をまとめた「Progress Report 2025 - NYK Group Decarbonization Story」(以下「Progress Report 2025」)(英語版)を公開しました。昨年10月に公開したProgress Report 2024に続き、これまでの取り組みの成果や進捗を紹介するとともに、当社グループが定めた目標達成に対する課題について、より深く理解してもらうことを目的としています。なお、日本語版も後日公開予定です。
近年、国際海事機関(International Maritime Organization、以下「IMO」)による新たな規制導入の議論など、海事産業の脱炭素化を取り巻く外部環境は大きく変化しています。こうした潮流の中で、当社グループがどのように脱炭素戦略を推進し、達成に向けた課題をどう捉えているのかをまとめています。
画像をクリックすると「Progress Report 2025」に移動します。
NDSは以下のリンクからご覧ください。
https://www.nyk.com/sustainability/envi/decarbonization/
物流は多くの産業の基盤であり、その脱炭素化は社会全体のカーボンニュートラル達成に不可欠です。一方で、海運業は温室効果ガス(GHG)排出量の削減が困難な「Hard-to-abate sector」とされており、技術的・制度的な課題が多く存在します。当社グループは2023年11月にNDSを発表し、2030年にScope1・2排出量を2021年度比で45%削減、2050年にScope1・2・3排出量ネットゼロを達成するという目標を掲げ、取り組みを進めています。
Progress Report 2025の注目ポイント
・Scope3排出量(注1)の集計精度向上と集計範囲の拡大を前倒しで実現
・バイオ燃料の活用に向けた技術検証の深化
・炭素除去(CDR)クレジット(注2)の試験調達を開始
・公平かつ中立な国際ルールの確立に向けたアドボカシー活動(注3)の継続実施
・国際的な輸送GHG排出原単位(注4)算定基準の策定を目指しリーダーシップ発揮
Progress Report 2025の構成
導入
-規制と開示が作るScope3排出の重要性の高まり・脱炭素輸送サービスの優位性
-当社の脱炭素戦略と合致するIMOの規制案
Chapter 1:脱炭素への取り組み
-2024年度GHG排出量削減状況の概要
-運航効率・性能改善の進捗
-バイオ燃料活用拡大と技術検証の深度化
-代替燃料船の取り組み進捗と意義の再定義・不確実性へのレジリエンス強化
-Scope3についての取り組み
-CDRの試験調達と規制の導入に向けた活動
Chapter 2:競争力強化
-カーボンフットプリントの環境価値収益化に果たす重要性と算定ルール策定の取り組み
-GHG削減を競争力強化につなげる公平な国際競争環境構築に向けた働きかけ
(注1)Scope3排出量
企業のバリューチェーン全体に関連する間接的なGHG排出量。原材料の調達、輸送、製品の使用、廃棄など、企業活動の外部で発生する排出を含む。
(注2)CDR(Carbon Dioxide Removal)クレジット
大気中からCO₂を除去する技術やアプローチであるCDRによって除去されたCO₂量を環境価値化し取引できるようにしたもの。CDRは排出削減とは異なり、大気中のCO₂を物理的に除去することを目的とする。
(注3)アドボカシー活動
幅広く提言や啓発を政府や組織に行うこと。当社は欧州に人員を派遣している。
(注4)輸送GHG排出原単位
輸送活動量(例:トン・キロ)あたりのGHG排出量を示す指標。輸送距離、貨物重量、輸送GHG排出原単位を掛け合わせて、自社のバリューチェーンに係るScope3輸送カテゴリの排出量を算出、荷主は輸送手段や物流パターンごとの排出量を「見える化」できる。さらに、追加運賃で低炭素輸送を選択した場合、輸送GHG排出原単位の低減を通じScope 3排出量を削減できるため、コストと環境価値を踏まえた選択が可能になる。
以上
掲載されている情報は、発表日現在のものです。
その後、予告なしに変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。