当社はこのたび、海藻を活用した「養殖藻場」の造成による生物多様性向上の支援を目的として、合同会社シーベジタブル（高知県安芸市、以下「シーベジタブル社」）に対し寄付を行いました。シーベジタブル社が持つ先進的な海藻の養殖技術を活用し、秋田県男鹿市の沿岸に人工的な藻場をつくることで、海の生態系の回復と水産資源の再生を目指します。

藻場とは、海藻が生い茂る場所のことで、魚や貝などの水産生物が住み、産卵する「海のゆりかご」として多様な生態系を支える重要な役割を果たしています。しかし近年、地球温暖化による海水温の上昇にともなってウニなどの摂食活動が活発化し、食害によって藻場が減少する事例が増加していることが全国的に深刻な問題となっています。

今回支援する「養殖藻場」は、海藻を人工的に育てて藻場を再生・創出する、循環型の新しい取り組みです。ヨコエビなどの小型生物から魚まで、さまざまな生き物が集まる豊かな海の空間をつくり出します。地域の漁業者とも連携しながら藻場を育て、管理し、最終的には海藻を収穫して製品として出荷することで、海の環境再生と地域の活性化の両立を目指します。

当社は、サステナビリティ・イニシアティブとして「海・地球・人々への恩返し」を理念に掲げています。海洋環境保全に関しても継続的な課題意識を持っており、本件は、これまでも実施してきた藻場再生に関する取り組みの一環に位置付けられます。また、当社は2022年に秋田県と包括連携協定を締結しており、本件は「環境保全」や「港湾活用」など、地域との連携に基づく重点分野に資するものです。今後も当社は、地域社会と連携し、持続可能な環境づくりを目指します。