2025年10月23日
当社グループの京浜ドックがOceanic Constellationsと共同実証契約を締結
海洋課題の解決に向け日本初の小型水上ドローン船(USV)量産体制を目指す
当社グループ会社の京浜ドック株式会社(以下「京浜ドック」)は10月17日、株式会社Oceanic Constellations(オーシャニック・コンステレーションズ、本社:神奈川県鎌倉市、以下「OC(オーシー)社」)と、小型水上ドローン船(Unmanned Surface Vehicle:USV)の量産体制構築を目的とした共同実証契約を締結しました。
締結の様子
左から、京浜ドック代表取締役社長中村利、OC社共同代表取締役CEO本田拓馬氏
背景および意義
海洋スタートアップ企業のOC社は、海洋上に多数のUSVを展開しセンサー・通信ネットワークを構築することで海洋モニタリングを常時可能とする世界初の試みである「海の衛星群®」の事業化を推進しています。小型USVの量産体制構築は、海洋監視、データ収集や通信ネットワーク構築などに活用できる革新的な海洋インフラ構築の実現への一歩となります。
海に浮かぶUSV(OC社提供)
一方、京浜ドックは当社グループ唯一の造船所として世界初のアンモニア燃料商用船「魁」を建造するなど次世代環境対応船の社会実装を進めています。京浜ドックの造船・修繕技術力とOC社のデジタルエンジニアリング技術力を相互補完することで日本初となるUSV量産体制構築と社会実装を目指します。
建造されたUSVは日本の海洋環境などの課題解決に向けての活用に加え、当社が推進する再使用型ロケットの洋上回収システムへの貢献が期待されています。当社は2023年4月に宇宙事業開発を担う組織を設置し、海運業で培った技術や知見を活かし、洋上でのロケット打ち上げ、再使用型ロケットの回収など船舶を利用した事業開発を進めています。今年6月にはOC社と「洋上回収型再使用ロケットの実現に向けた協業覚書」を締結(※関連情報参照)するなど関係強化を図っています。
中小型造船業から宇宙事業までを幅広くカバーする当社グループの強みを活かし、OC社との連携を強化することで海の社会課題解決のための共創を実現します。
株式会社Oceanic Constellationsについて
宇宙・IT・アカデミック・自動車など多様な分野出身のメンバーが集結し、2023年11月 に 創業した鎌倉発の海洋スタートアップ企業。多数のUSV を海洋上に配置し、海洋通信ネットワーク制御、エネルギーマネジメントを融合した 群制御技術を実装することにより、USVコンステレーションプログラム「海の衛星群®」を構築し、広範囲な海洋監視等のサービス展開を実施することを目的とする。USVコンステレーション構築に必須となる海洋群制御関連特許を25件出願、うち18件の権利化を実現しており、グローバル市場を見据えた特許網構築戦略を推進、また、中央省庁、地方自治体、海洋関連産業、アカデミア等、多様なステークホルダーと提携を実現しており、2027年の事業化に向け事業・技術の統合開発を進めている。
Website:https://www.oceanic-constellations.com/
京浜ドック株式会社について
1968年創業、日本郵船グループ唯一の造船所。東京湾内に位置し、横浜市子安と横須賀市追浜に工場を持つ。主な事業は中小型船舶建造及び修繕業、環境事業。日本郵船グループの次世代燃料船等の研究開発機能も担う。環境規制に対応した新燃料対応のタグボート・作業船等の船舶建造、社会実装を推進中。
・2013年:国内初のハイブリッド推進装置を搭載したタグボート「翼」を建造
・2015年:世界初となるLNG燃料タグボート「魁」を建造
・2024年:「魁」のアンモニア燃料船への改造により商用として実用化される世界初のアンモニア燃料タグボートを建造
・2025年:国内初となる完全電化作業船「e-Crea」を建造
現在は日本初の国内メーカー製モータードライブシステムを搭載した電気推進タグボートを建造中。
Website:https://www.keihindock.co.jp/
以上
掲載されている情報は、発表日現在のものです。
その後、予告なしに変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。