2025年10月15日
世界初 アンモニア燃料船運航による環境価値の創出
タグボート「魁」の運航を通じて、アンモニアの環境貢献可能性を拡大
当社グループの株式会社新日本海洋社は、9月25日、当社が保有するアンモニア燃料タグボート「魁」(以下、「本船」)の曳船サービス(注1)を通じて削減した温室効果ガス(GHG) 排出量を定量化し、環境価値(注2)とする第三者認証を取得しました。この環境価値はBook&Claim方式(注3)に基づき購入者へ割り当て可能であり、将来的には輸送サービス利用者のScope 3(注4)排出量削減への寄与が期待されます。アンモニア燃料船の実運航を通じて創出された環境価値が第三者認証を受けるのは世界で初めてです。
本船は、2021年10月にNEDO(注5)のグリーンイノベーション基金事業「アンモニア燃料国産エンジン搭載船舶の開発」に採択され、商業利用を前提に開発された、世界初のアンモニア燃料船です。株式会社JERAから株式会社レゾナック製の低環境負荷アンモニア「ECOANN」、(注6)の供給を受け、2024年8月の竣工以降、横浜港を拠点に、安全かつ低炭素な曳船サービスを提供しています。
貨物の輸送に伴って排出されるGHGは、多くの事業者にとっては一般的にScope3に分類され、削減のためにはサプライチェーン全体での協働が求められます。本取り組みは、海運業におけるGHG削減量を可視化し、輸送サービス利用者による将来的なScope3排出量削減や追加のGHG削減施策検討へとつながり、舶用燃料としてのアンモニアの環境貢献への可能性をさらに広げるものです。当社は今後も、2026年11月に竣工予定の外航アンモニア輸送船(AFMGC)の開発をはじめ、海運・舶用業界における燃料アンモニアのバリューチェーン構築と脱炭素化の推進に注力していきます。
(注1)曳船(タグボート)による、大型船の離着岸補助作業。
(注2)削減したGHG排出量を定量的に評価・認証することで得られる価値で、取引可能なクレジットとして扱われる。
(注3)低炭素燃料を利用した輸送サービス等によるGHG削減量に対して第三者認証を取得し(Book)、その削減価値を購入者に割り当て、購入者が自社の排出削減として主張(Claim)できる方式。
(注4)企業のサプライチェーン全体に関連する間接的なGHG排出量。原材料の調達、製品輸送、使用、廃棄など、企業活動の外部で発生する排出が含まれる。
(注5)国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(New Energy and Industrial Technology Development Organization)。
(注6)株式会社レゾナックが使用済みプラスチックを原料の一部に使用して製造する、廃棄物の低減や循環型社会の構築に寄与する環境調和型アンモニア。
以上
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