プレスリリース

京浜ドックと流体テクノの造船DX化事業、国の補助金採択をうけ本格始動

海上試運転計測業務の自動化で日本の造船業効率化に貢献

当社グループの京浜ドック株式会社(以下「京浜ドック」)は、このたび流体テクノ株式会社(以下「流体テクノ」)と、新造船建造時の海上試運転計測業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)化事業についての共同提案を行い、国土交通省が推進するDXオートメーションによる省人化推進の補助金対象事業(注1)として採択されました。

本事業は、小型新造船の海上試運転における船速などの諸計測業務について、小型船に特有の計測誤差を自動的に補正し、結果を出力するシステムを開発するものです。流体テクノが開発するGPS測定誤差の自動修正とレポート出力を行う自動計測ソフトウェアを、京浜ドックが建造する新造タグボートの海上試運転時に搭載することで、実測および工数削減効果の確認を行います。両社共同で技術開発から実証実験までを行うことにより、計測記録の正確性の向上、計測業務の省力化、計測結果レポートの即時出力をDXで実現します。

四方を海に囲まれた島国日本にとって造船業は重要な産業ですが、中小造船所の多くは人手不足に悩まされており、単体での設備投資が難しい状況にあります。中でも、新造船建造の重要工程である海上試運転時の計測業務は、現在は目測記録や手作業でのレポート転記を行っており、人的ミスや作業遅延が発生しやすいという課題を抱えています。本事業は、実証実験をふまえた新機能開発により、海上試運転の実測記録を認証機関(国土交通省等)へ提出する業務を効率化します。日本の造船現場の具体的な課題をDXの活用により解決することで、成果物の社会への還元を目指します。

注1:国土交通省リンクをご参照ください
https://www.mlit.go.jp/report/press/kaiji05_hh_000298.html

各社紹介

京浜ドック株式会社 
東京湾内に位置する中小型船舶造船所であり横浜市子安と横須賀市追浜に工場を持つ。主な事業は船舶建造及び修繕業、環境事業。日本郵船グループの次世代燃料船研究開発機能も担う。環境規制に対応した新燃料対応のタグボート・作業船等の船舶建造、社会実装を推進中。
・2013年:国内初のハイブリッド推進装置を搭載したタグボート「翼」を建造
・2015年:世界初となるLNG燃料タグボート「魁」を建造
・2024年:「魁」をアンモニア燃料船へ改造することにより商用として実用化される世界発のアンモニア燃料タグボートを建造
現在は日本初の国内メーカー製モータードライブシステムを搭載した電気推進タグボートを建造中。
ホームページ:https://www.keihindock.co.jp/

流体テクノ株式会社
長崎県佐世保市の船舶流体関係コンサルティング会社。船舶設計・開発支援、水槽試験支援、省エネ装置の開発・販売、船舶設計・流体関係プログラムの作成などを幅広く手掛ける。今回のプロジェクトで採用予定の、専門性の高い船舶用計測器である「実船試運転計測(速力、旋回、振動等)」装置:Ship Performance Transfer and Analyzerを提供できる数少ない会社の一つ。
ホームページ:https://fluidtechno.com/

以上

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