当社は6月20日、東京消防庁、横浜市消防局と合同で自動車専用船の視察会を開催しました。視察会には両消防のほか荷役関係会社などから40名を超える関係者が参加し、火災時の消火プロセスの検討を目的に自動車専用船内の構造や消火設備を視察したほか、参加者による意見交換を行いました。

視察会実施の背景
近年、世界的に自動車専用船の火災事故が増加している中で、当社は次世代自動車（電気自動車や燃料電池車）にも対応した輸送ガイドラインの策定、乗組員の習熟訓練、DXを利用した新たな機器の導入など火災対策の強化を進めています。停泊中の火災の場合は、大人数の作業員が船内で作業をしていることが想定され、作業員が安全に迅速に退避できるかが重要なポイントとなります。また消防を含めて陸上からのサポートを受ける場合も、複雑な船内構造や特殊な消火設備など通常の陸上施設における火災対応とは異なる点も多く、海外では消防士の死亡事故も発生しています。万が一の火災発生時に迅速に対応するため、実際の船内構造や作業の様子を視察し、停泊中の火災特有の課題を検討することを目的に今回の視察会を開催することになりました。

視察会の内容
・船内視察会
当社の海技者が自動車専用船の構造や消火設備について解説しながら、実際に車両が積載されているカーゴホールドを視察しました。
・意見交換会
船内視察終了後、船上で意見交換会を実施しました。実際の火災を想定した具体的な消火戦術について議論される中で、特に船陸間のコミュニケーションの手法や媒体に関して積極的に意見交換が行われました。

＜参加機関＞
東京消防庁
横浜市消防局
株式会社ユニエツクスNCT
株式会社ホンマ
日本郵船株式会社

今後の展望
今回のような自動車専用船視察会は日本では初めての開催となりましたが、当社グループは北米を中心に欧州、シンガポール、スリランカなど各国で同様の視察会や合同訓練を実施しています。今後も世界各港の消防関係者を交えた活動を積極的に行っていく予定です。当社は本船だけでなく、陸上関係者との協力体制を強化しながら今後も安全運航に努めていきます。