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「無人運航船」の取り組みが第5回日本オープンイノベーション大賞「国土交通大臣賞」受賞

当社および当社グループの株式会社日本海洋科学(以下、日本海洋科学)、株式会社MTI(以下、MTI)ならびに近海郵船株式会社(以下、近海郵船)が参加する、「無人運航船」の取り組みが、内閣府が主催する第5回 日本オープンイノベーション大賞 国土交通大臣賞を受賞しました。4社は、今後も無人運航船の社会実装に取り組み、海運業界の労働力不足や海難事故などの社会課題解決を目指します。

右から
1番目:加藤 雅啓(国土交通省大臣官房 技術総括審議官)
2番目:桑原 悟(日本海洋科学 運航技術グループ グループ長)
3番目:沓名 弘二(当社 グリーンビジネスグループ調査役)
4番目:武藤 正紀((株)三菱総合研究所 フロンティア・テクノロジー本部 特命リーダー)

表彰状を受け取る桑原 悟グループ長(日本海洋科学 運航技術グループ)

受賞者集合写真
中段右から5人目:桑原 悟((株)日本海洋科学 運航技術グループ グループ長)

1. 経緯

4社は、公益財団法人日本財団(所在地:東京都港区、会長 笹川陽平、以下 日本財団)が実施する無人運航船プロジェクトMEGURI 2040における「無人運航船の実証実験にかかる技術開発共同プログラム」(注1)(以下、MEGURI)に参加し、国内30社で構成されるDesigning the Future of Full Autonomous Ship(以下 、DFFAS)コンソーシアム(注2)の一員として、「有人自律運航船」の技術開発で培った技術・経験を活かし、技術の標準化、制度・インフラ整備などの役割を担いました。同コンソーシアムは、2022年2月26日から3月1日にかけて、東京港~津松阪港の区間で無人運航船の実運用を模擬した実証実験に成功しています(注3)。

2. 概要

日本オープンイノベーション大賞は、我が国の未来を担うイノベーション創出の加速を目指し、産学連携、大企業とベンチャー企業との連携、自治体と企業との連携など、組織の壁を越えて新しい取り組みに挑戦する「オープンイノベーション」の模範的なプロジェクトを政府が表彰するものです(注4)。このたび、MEGURIによる「無人運航船」の活動が、国土交通分野における科学技術の振興の視点から特に顕著な取り組みとして認められ、4社に加え(株)三菱総合研究所がコンソーシアムを代表して、2月15日に内閣府にて「国土交通大臣賞」の表彰を受けました(注5)。
本受賞では、海運・造船・舶用メーカー等の海事産業に限らない多種多様な30社(協力会社を含めると60社以上)のオープンイノベーションコンソーシアムを形成し、組織・分野の壁を乗り越え協調して社会実装に向けた活動を進めた点が評価されました。

3. 今後の展開

船舶の自動化・無人化技術は、海運業界の労働力不足解消・労務負担軽減、海難事故防止、離島航路維持等、さまざまな社会課題の解決につながります。その社会実装のためには、技術開発による安全性と経済性の確保に加え、新たなルールや保険などの環境整備、社会受容性の向上もあわせて必要であり、オープンイノベーションはその鍵となります。4社は、引き続き関係者と連携し、本技術の社会実装に向けた活動に取り組みます。

DFFASコンソーシアムで開発した無人運航システムの概要
(陸上側システムから船舶の航行状況を監視し、有事には遠隔操船に切り替えも可能)
提供:DFFASコンソーシアム

当社グループは、ESGの経営戦略への統合を更に加速させることを掲げた、「NYKグループ ESGストーリー」 を2021年2月3日に発表し、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献する活動を進めています。2022年3月24日には、2021年度のESG経営の具体的な取り組みと施策、超長期視点での持続可能な成長戦略を紹介する「NYKグループESGストーリー 2022」 を発表しました。当社グループのESG経営を力強く推し進めるべく、今後も積極的に「無人運航船」の技術開発を進め、「Sustainable Solution Provider」として新たな価値創造をしてまいります。

(注1)「無人運航船の実証実験にかかる技術開発共同プログラム」
世界に先駆けて内航船における無人運航の実証試験を成功させることで、本分野の技術開発へのさらなる機運を醸成し、その結果日本の物流および経済・社会基盤の変革を促進するべく、当該技術開発を支援するために創設した助成制度。

MEGURI2040 ロゴマーク

(注2)DFFASコンソーシアム参加会社(順不同)
(株)日本海洋科学 [代表会社] 、(株)イコーズ、(株)ウェザーニューズ、EIZO(株)、(株)MTI 、日本電信電話(株)、(株)NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ(株)、近海郵船(株)、(株)サンフレム、(株)三和ドック、ジャパンハムワージ(株)、ジャパン マリンユナイテッド(株)、スカパーJSAT(株)、鈴与海運(株)、東京海上日動火災保険(株)、東京計器(株)、ナブテスコ(株)、NX海運(株)、日本郵船(株)、日本シップヤード(株)、日本無線(株)、BEMAC(株)、 (株)pluszero、古野電気(株) 、本田重工業(株)、三浦工業(株)、三井住友海上火災保険(株)、(株)三菱総合研究所、(株)YDKテクノロジーズ

DFFASコンソーシアム ロゴマーク

(注3)2022年3月2日発表:「無人運航船の実運用を模擬した実証実験を実施」
https://www.nyk.com/news/2022/20220303_02.html

(注4)内閣府ウェブサイト「日本オープンイノベーション大賞について」(2023年2月7日閲覧)
https://www8.cao.go.jp/cstp/openinnovation/prize/index.html

(注5)国土交通省プレスリリース(2023年1月24日)
www.mlit.go.jp/report/press/sogo17_hh_000139.html

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以上

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