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創業137周年を記念し社長があいさつ

10月1日に当社は創業137 周年を迎え、本日、社長の長澤仁志は当社グループの社員に向けてあいさつを行いました。

皆さん、おはようございます。本日、皆さんと共に日本郵船の創業137周年を祝うことができ、本当に嬉しく思います。
またこの機会にあらためて諸先輩の功績に対し深く敬意を表したいと思います。

さて当社グループは、コロナ禍の中、現場で汗を流している本船乗組員、トラックドライバー、航空パイロットの皆さんをはじめ全てのグループ社員の頑張りにより、昨年度は史上最高益をあげる事が出来ました。また今年度も引き続き好業績となる見込みです。皆さんの貢献に対し、あらためて感謝します。

各事業について申し上げると、まずライナー&ロジスティクス事業部門では、定期船事業のOcean Network Express社はコロナ禍による巣ごもり需要と物流の目詰まりにより需給ギャップが拡大し、一昨年来、過去に例を見ない運賃レベルとなり極めて好調な状況が続いています。国内船社三社のコンテナ部門統合という難しい条件にもかかわらず、短期間でしっかり結果を出しており、当社グループの業績に大きく貢献してくれています。

また、航空運送事業の日本貨物航空は、2018年の業務改善命令による全機運航停止という事態から全社を挙げて安全運航体制を整えて以降、順調な運営を行い、かつ市況の追い風もあり大きな利益を上げています。
さらに物流事業も、旧郵船航空(株)と旧NYKロジスティックスジャパン(株)の合併から12年が経過し、いまや郵船ロジスティクス(株)として合併効果を発揮し、フォワーディング業務に加え、コントラクトロジスティクスも好調な業績を上げています。
以上の様に、ライナー&ロジスティクス事業がNYKグループ全体を力強く牽引しています。

次に不定期専用船事業について、自動車輸送部門は、「他社より一歩先へ」の取り組みで、順調に業績を積み上げています。また、将来へ向けてLNG燃料自動車船を複数隻整備したことも「一歩先へ」の実践の現れだと思います。
ドライバルク事業部門は、過剰投資と市況の低迷に長年苦しんできましたが、2020年度に高コスト船の処分等の構造改革を行った効果と、部門内であるべき事業の姿について何度も真摯な議論を重ね、方針をしっかり策定した結果、更には市況の好転も取り込み目覚ましい回復を遂げています。
最後にエネルギー事業部門ですが、長期にわたる大型原油タンカーの市況低迷の一方、ロシア・ウクライナ情勢の影響で、石油製品タンカーの市況高騰、またLNG船の市況の乱高下等、色々な事が起こっています。そのような中、LNG船、LPG船を中心に、安定した業績を上げています。エネルギーは人々の生活に不可欠なものであり、当社グループにとっても今後の化石燃料使用削減と再生可能エネルギー利用拡大の動向を注視し、対応していく必要があります

一部、客船事業や旅行に関連する事業分野はコロナ禍の影響を大きく受け苦戦していますが、関係する皆さんが最善を尽くしてくれている中、ようやく事業環境が少しずつ明るさをましており、引き続きしっかり取り組んで欲しいと思います。一方で、内航、港湾といった事業分野では各グループ会社がコロナ禍にもかかわらず立派な業績を上げています。

また、この好業績は、営業部門のみで達成できるものではなく、しっかりとサポートする経営企画本部、総務本部、技術本部といったコーポレート部門の頑張りなくしては成し遂げられなかったことは、あらためて申し上げるまでもありません。

加えて、そんな中で次世代に向けた方策も着々と打つことが出来ました。成果はまだこれからですが、洋上風力発電関連事業、自律運航システム、アンモニア燃料船、液化CO2輸送船、海事産業におけるシミュレーター技術の活用等、将来の事業化を期待できるものばかりです。これらの新規案件の具現化には高い壁があると思いますが、担当する皆さんには是非壁に負けないチャレンジ精神で事業化につなげていって欲しいと願っています。

さて、今年は中期経営計画Staying Ahead 2022の最終年度です。事業環境の改善もあり、この中計で目指したものはほぼ達成しました。現在、来年度から開始となる新中計の策定を進めています。対象期間は2030年までを見通すものにする予定です。
基本的な考えは、我々の基本理念である”Bringing value to life.”をベースに、今進めているESG経営を更に推進する事だと考えています。また、昨年度、複数の若手執行役員に2050年までを見通した議論をしてもらいました。そこで出てきた考えも取り入れ中計を策定していきたいと思っています。
ポイントの一つ目は、如何にGHGを削減できるかです。当社グループは現在年間約1700万トンのGHGを排出しています。その責任は重く、将来間違いなく炭素税などのコストになります。GHG の削減に真摯に取り組む会社が社会・お客様から選ばれる事は必至だと確信しています。だからこそ、その取り組み自体が成長戦略といえるのです。

二つ目はガバナンスの強化です。透明性のある意思決定や徹底したコンプライアンス対策が引き続き重要であることは間違いありません。当社グループがこの2-3年大きな不祥事なく極めて順調な好業績を上げていることを鑑みても、この点が重要である事は議論を待ちません。

三つめは、人権、ジェンダー、働き方、職場環境といった観点から、当社グループの皆さんが意識高く、またのびのびと働ける体制、環境を作っていくことです。

そして、これらの大前提は、海、陸、空において安全運航がしっかり担保されることです。これまで何度も申し上げている通り、総合物流事業を展開するわれわれにとって安全は当社グループのESG経営の一丁目一番地です。
以上の内容を骨子とし具体的な投資計画、利益計画、事業計画、資本政策を新中計に盛り込んでいきます。来年春に発表しますので是非注目して欲しいと思います。

日頃ニュースでも報じられている通り事業を取り巻く環境は大きく変わりつつあります。今まで順風だった風の勢いが無くなる、あるいは逆風に転じるかもしれません。しかしながら、当社グループの経営基盤が揺らぐ事はありません。しっかり自分達が成し遂げねばならぬことに向かって業務を遂行して下さい。また繰り返し申し上げていますが、良い仕事をなす為には上下、横、斜めのコミュニケーションが重要です。十分にコミュニケーションを取って良い仕事を成し遂げてください。

最後になりましたが、当社グループが運航する全ての船舶、トラック、飛行機等の安全運航と、グループ社員とその家族の皆さんが健やかな生活を過ごされることを祈念しまして、私の創業記念のあいさつと致します。

以上

掲載されている情報は、発表日現在のものです。
その後、予告なしに変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。