2018年商事始め式で社長あいさつ

2018年1月4日

―グループの総力をあげて新たな目標に向かう―

 当社は2018年1月4日、東京都千代田区の本店15階ホールで商事始め式を開催し、社長の内藤忠顕が新たな年にあたりあいさつを述べました。

あいさつの要旨
 皆さん、明けましておめでとうございます。年頭にあたり、当社そして当社グループが目指すべき方向性、将来像についてお話しします。

世界経済の展望とNYKグループ
 世界経済はリスクの高まりを伴いつつも緩やかな回復基調にあり、今後も世界のトレードはアジアを中心に伸びていくと感じています。しかし、この好循環も未来永劫続くものではないという認識のもと、長期収益基盤をしっかりと築く必要があります。

 当社グループは昨年7月に定期コンテナ船事業の合弁会社Ocean Network Express Pte. Ltd.(以下ONE)を邦船2社とともに設立し、10月に郵船ロジスティクス株式会社(以下YLK)の完全子会社化を発表しました。これらは、当社グループの将来の形を作り上げるための大きな決断でした。

 今年からは特に“Green”と“Digitalization”に焦点を当てて、環境への取り組みやICTの利活用などを力強く推進したいと考えています。既にどちらの分野でも他社との差別化を進めてきましたが、今後は、専門性を活かし実務面での活用を進め、さまざまなアイデアを具現化することで、当社グループの優位性を確立していきましょう。各事業の課題は次の通りです。

一般貨物輸送事業
 定期コンテナ船事業の合弁会社ONEは、今年4月の開業を目指し全力で準備を続けています。当社グループで全面的にサポートすることが何よりも大切です。

 物流事業は、YLKを中心に今後当社グループの中核事業になります。世界的なネットワークを活用してお客さまとの関係をさらに深めることで、営業活動の最前線としての役割を果たすことを期待します。

 航空運送事業は、航空貨物の荷動きが好調な中、日本貨物航空株式会社の強みである大型貨物機で運航体制を整え、今こそ飛躍の時と思い頑張ってもらいたいと考えます。

不定期専用船事業
 自動車輸送部門では、自動車産業の形態が変化する中、これまでの経験だけに縛られず注意深く業界やお客さまのニーズの変化に目を光らせ、半歩先を行くソリューションを提供できるよう日頃から考えてほしいと思います。自動車物流事業は、これまで拡大を続けてきたターミナルに加えて、今後は陸送についてもYLKとの協業を進めて次の展開に向かってもらいたいと思います。現場の「気づき」に耳を傾けてITを活用し競争力を高めていきましょう。

 ドライバルク部門は、昨年後半から市況の回復が顕著となり、長く続いた暗いトンネルを脱したのではないかと考えます。この市況回復局面でしっかりと安定利益を出すために体質改善を進めましょう。また、ITツール、データの活用により市況対応力の向上を目指しましょう。

 リキッド部門は“Green”をキーワードに、既存貨物のみならず再生可能エネルギーの動向も注視し、関係物資の輸送需要や発電事業の支援など、潜んでいる新たな商機を掴むべくチャンスを探りましょう。LNG・海洋事業は、運賃安定型ビジネスの重要な柱として頑張ってもらいたいと考えます。また、新しいビジネスの獲得も目指してください。原油・石油製品輸送は、今後アジアへの展開が期待される分野です。従来の貨物輸送に加えて、港湾ターミナル等周辺事業も含めて視野を広く持って取り組んでください。

非営業部門
 技術本部は“きらり技術力”運動の推進役として、当社グループ全体に活動を展開し、実績を積み上げることを期待しています。“Digitalization”の推進や、自律運航など新技術は、安全運航の在り方を大きく変える可能性があります。

 総務本部はグループ経営改革を推し進め、法令を順守し正当なやり方で仕事を進めていく体制づくりに加えて、働き方改革や、女性活躍推進・各国で働くナショナルスタッフの活性化など多様な人材の確保・育成に取り組みましょう。当社グループの健全な発展には不可欠だと考えています。

 経営企画本部は今春発表の中期経営計画を取りまとめ、その工程を示してほしいと思っています。また、全体の効率化、財務の健全化を進めて当社グループの体力、競争力を高め、これらの取り組みをステークスホルダーの皆さまに向けて発信することも重要です。

終わりに
 当社グループの業績にも改善の兆しが見えてきました。海運市況の好転によるところもありますが、2年間続けてきたプロジェクト「Beat the Crisis」への取り組みが実を結んだ結果ともいえます。
以前から、グループ・バリュー「誠意、創意、熱意」の精神を発揮し、他社より半歩先を行くことの重要性を伝えてきました。それを形にするために、各社、各部門で自由闊達に議論を交わすことが必要です。相手の話に真摯に耳を傾け、フェアに対話を重ねて方向性を見出し、歩みを続けることが重要ではないでしょうか。

 最後にこの1年、世界中のNYKグループの皆さん、そしてご家族が充実した日々を健やかに過ごされることをお祈りして年頭の挨拶とします。
以上


 
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