東日本大震災関連:本業を生かした支援

「海」での取り組み

日本・チリ友好のモアイ像を無償輸送

寄贈されたモアイ像

2012年11月、チリ国民から被災地復興支援のために宮城県南三陸町へ贈られたモアイ像を無償輸送しました。1960年のチリ地震による津波で被災した南三陸町では、1990年にチリとの友好と復興のシンボルとしてモアイ像を制作し公園に設置していましたが、東日本大震災の津波で倒壊してしまいました。震災後同地を訪れたチリのピニェラ大統領は新たなモアイ像の寄贈を約束、モアイ像のふるさとイースター島(チリ)の島民が島の石を使って作成しました。完成した約3メートル、重さ約2トンのモアイ像はバルパライソ港で当社のコンテナ船”NYK Aquarius”に積み込まれ、東京と大阪で展示された後、2013年5月25日、南三陸町に寄贈され、贈呈式には当社経営委員の吉田芳之(当時)が出席しました。

北米に漂着した岩手県立高田高校のボートを輸送

2013年10月、東日本大震災の津波で流出し米国カリフォルニア州に漂着した岩手県立高田高校(陸前高田市)の実習ボートを日本まで無償輸送しました。当社グループは2011年10月から2012年12月にかけて陸前高田市内でボランティア活動を行った経緯もあって、その輸送協力を申し出ました。日本郵船が米国オークランド港から仙台港までのコンテナ船“Spring R”による海上輸送を、郵船ロジスティクスが米国と日本の両国内の通関及び陸上輸送に携わりました。ボートは高田高校の生徒が見守る中、寄託先の陸前高田市立博物館に運ばれ、同日行われた返還式には郵船ロジスティクス東北株式会社、代表取締役社長の川村伸吾(当時)が出席しました。高田高校とボートの返還に尽力した米国デルノート高校はその後、姉妹校となり交流を続け、その話は2015年に絵本「いつまでもともだちでいようね」になりました。

到着したボートと高田高校生徒
絵本「いつまでもともだちでいようね」

飛鳥IIによる東北復興応援クルーズ

仙台港に入港した飛鳥II

2012年11月7日から2泊3日にわたり「飛鳥II」による東北復興応援クルーズを実施しました。横浜と仙台の間を往復航海するクルーズは、「乗船されるお客様と東北をつなぐ」というコンセプトのもと、宮城県女川町出身の中村雅俊さんによるライブや被災地視察・観光ツアーなど、船内外で様々なイベントを行いました。また、船内に設置された募金箱への寄付金とクルーズ代金の一部は、公益社団法人日本フィランソロピー協会を通じて特定非営利活動法人アースウォッチ・ジャパンが行う「東日本グリーン復興モニタリングプロジェクト」(東日本大震災で甚大な被害を受けた東北地方の生態系の回復を助けるための学術調査)に寄付されました。

「第1回救援物資ホットライン便」モジュール船 “YAMATAI”による救援物資輸送

救援物資を載せた“YAMATAI”

2011年3月、当社は日之出郵船(株)(現NYKバルク・プロジェクト(株))が運航するモジュール船 “YAMATAI”で被災地に向けた救援物資の無償輸送を実施しました。救援物資は「第1回救援物資ホットライン」として(社)日本経済団体連合会と協力して呼びかけた企業32社や、当社が呼びかけた地方自治体、全日本海員組合、NPOなどから寄せられた飲料水、食料品、乳児用品、衛生用品、生活用品、当社グループが手配した物資などで、20フィート換算で24本分になりました。これは10トントラックにして16台分に相当します。神戸港で積込まれた救援物資は八戸港で陸揚げされ、青森県、岩手県、宮城県の各市町村に輸送されました。

東北漁業復興プロジェクト「希望の烽火(のろし)」に協力

石巻市での引き渡し式

当社は、被災地である東北・三陸地方の漁業の早急な再開を支援するため、一般社団法人「東北漁業再開支援基金・希望の烽火(のろし)」を通じて海上輸送用冷凍コンテナ100本を無償提供しました。同基金は当社社外取締役でもある岡本行夫氏(同基金代表)(当時)の呼びかけで2011年7月に設立され、漁業復興に必要な資機材を民間の手で無償提供するプロジェクトです。当社が提供したコンテナは、水揚げされた魚の貯蔵する際の氷の保管用等に活用されています。

郵船クルーズ「飛鳥II大船渡復興支援プロジェクト」

キャンドルセレモニーの様子

郵船クルーズ(株)は、2011年7月27〜28日にかけ「飛鳥II」の復興支援プロジェクトとして、大船渡に寄港しました。このプロジェクトでは、総勢600名の市民の方をご招待し、船内見学会を行った他、乗組員が市内の小学校2校を訪問して、DVDによる「飛鳥II」や海運に関する授業を行いました。また、復興の灯と大船渡と飛鳥との絆をイメージしたキャンドルセレモニーをCandle June氏のプロデュースにより実施しました。

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旭運輸 宮古港ストラドルキャリア無償支援

提供されたストラドルキャリア

旭運輸(株)は、東日本大震災で荷役用機器に壊滅的なダメージを受けた宮古港へ、ストラドルキャリアを無償提供しました。これは、震災により大きな被害を受けた港湾運送事業者を支援するため、日本港運協会が、各地の港湾協会に荷役機器等の提供を呼びかけたものです。旭運輸のキャリアは、2011年7月30日08時40分宮古港へ到着、無事荷揚げされました。

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近海郵船物流(株)がRORO船「まりも」にてタンクローリー、建機などを輸送

タンクローリーなどを載せた「まりも」

近海郵船物流(株)(現近海郵船(株))は、北海道庁の要請を受け、RORO船「まりも」でタンクローリー、建機などを輸送しました。

関連リンク:

「陸」での取り組み

「第3回救援物資ホットライン便」救援物資をコンテナトレーラーで無償輸送

コンテナトレーラーに載せられた救援物資

当社は(社)日本経済団体連合会とともに立ち上げた「第3回救援物資ホットライン便」で宮城県、岩手県から要請のあった救援物資を4月11日から25日まで日本コンテナ輸送(株)のコンテナトレーラーで各避難所に無償輸送しました。日用品、電化製品、衣料品など被災地に届けた救援物資は20フィートコンテナ13本分になりました。

ユニケイ コンテナ砂場の製造に協力

砂遊びに興じる園児たち

(株)ユニケイ(現(株)ユニエツクス・エンジニアリング)は東日本大震災の復興支援の一環として、公益社団法人こども環境学会の要請に応えて「コンテナ砂場」の製造に協力し、福島学院大学付属幼稚園に完成品を引渡しました。これは、震災後、外で遊ぶ機会が少なくなった福島の子どもたちにのびのびと楽しんでもらうために全天候型の「コンテナ砂場」が考案され、中古の40フィート冷凍コンテナを寄贈したものです。コンテナ内部も改造され、照明には省エネ蛍光灯のCCFLが使用されています。外壁に絵も描かれ、「新しい遊び場ができた」と子どもたちにも大好評でした。

日本油化工業 被災地へ消臭剤を寄贈

日本油化工業(株)は、業務用強力消臭剤「O-XTRA」300本などを東松島市役所(宮城県)へ寄贈しました。これは横浜市戸塚工場スタッフより提案を受け宮城県災害対策本部に問い合わせたところ、避難所にて使用したいとの回答があり、実施したものです。在庫を全て使って製造に取り掛かり、2011年3月18日、完成した消臭剤を社用車に積み込んで横浜市を出発。約7時間をかけて東松島市役所に到着しました。

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「空」での取り組み

郵船ロジスティクスグループ アメリカ、オランダからの救援物資輸送に協力

郵船ロジスティクスグループは、2011年4月、日本戦略研究フォーラムを窓口とした緊急支援物資を米国から日本へ輸送手配を行いました。輸送された救援物資は、放射性物資で汚染された施設や器物に吹き付けると放射性物質を吸収して固まり、硬化後はフィルムで剥がすことができ、病院などの除染用として用いられています。

また、2011年4月、同グループでは、オランダから被災地に送られた救援物資の輸送協力を行いました。救援物資は、現地の方々によりインターネットを通じて呼びかけが行われ集められたものです。オランダ国内での手配をYUSEN LOGISTICS(EUROPE)社とYUSEN LOGISTICS(BENELUX)社が、日本側では郵船ロジスティクス(株)が被災地までの配送のサポートを行いました。救援物資は看護学校、乳児院およびNPO法人に届けられました。

日本貨物航空による救援物資輸送

日本貨物航空(株)は、2011年3月14日から5月31日まで被災地への復興救援物資の無償輸送を実施しました。