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    ‐2013年度入社式で社長が訓示‐
 
 

人間力を養いグローバルな展開を
‐2013年度入社式で社長が訓示‐

2013年4月1日

 当社は4月1日、東京都千代田区の本店ビルで2013年度新入社員入社式を行い、代表取締役社長 工藤泰三が新卒採用社員48人【陸上職32人、海技者16人<航海10人、機関6人(うち自社養成コース7人)>】に対して以下の通り訓示を行いました。
 
皆さんの入社にあたりまして、3点についてお話しようと思います。一つ目は人間力、二つ目が海外、三つ目が「おもしろおかしく」です。
 
私が社長として新入社員の皆さんをお迎えするとき、ずっと言い続けていることがまず人間力です。当社は船や飛行機を自分たちでつくっているわけではありません。造船メーカーがつくった船を当社が買ってきて、それを運航しています。ハードを自分でつくっていないので、ハード自体では競合他社と差別化はできません。問題はハードをどういう風に使って競合他社と差別化するかです。これを左右するものが人間力に他なりません。
 
例えば、今当社グループに占めるコストのうち一番大きな項目の一つが燃料代です。郵船グループは3千数百億円の燃料代を使っています。仮にその燃料の消費量を1割セーブできれば3百数十億円という利益が出てきます。日本郵船グループの売り上げは2兆円前後ですが、株主さんらが期待される利益の最低水準は経常利益で800億円から900億円です。売上高比率で考えると、2兆円の約4パーセントを最低限としてクリアしなくてはならないということです。そのためにも燃料代で3千数百億円の1割をセーブできたら3百数十億円というコスト削減ができるということを忘れてはなりません。
 
これは海運だけではなく、世界中の企業はそういうマージナルな部分、ほんのちょっとした差で競争しているわけです。それを左右していくのはまさに人間力であり、君たちです。燃料のセーブは船員だけでできるわけではありません。陸上の営業部隊、オペレーション部隊と協調して初めて燃料セーブを達成できるのです。これらすべてには人間性、人間力が大きく影響していきます。
 
ハードで差別化できないのであれば、営業部隊がどのようにしてお客さまを引きつけるか。今当社では3M解消プロジェクトを推進し、「ムダ・ムラ・ムリ」をどのように解消するかを社内運動として展開しています。これはお客さまに対しても同じことです。お客さまにこうしたらムダ・ムラ・ムリがなくなります、だからこのようにコストが低減できます、と提案するということです。こういう提案力がなければ、ハードで差がない条件下でお客さまを当社に引きつけることはできません。営業も海の上もコーポレートもその先にはお客さまがいます。いかにムダ・ムラ・ムリなく効率よくやるか、これが当社の競争力を左右するのです。これらをひとことで言い表すと人間力ではないかと私は思います。君たちはその人間力を十二分に持っていると評価され、今日郵船グループに新しい仲間として入社しました。君たちの人間力に大いに期待しています。
 
二つ目は「海外」です。先ほど売り上げ約2兆円と言いましたが、このうち約70%は海外での売上げです。物流業を拡大していく上で、当社は既に日本だけに頼らず、グローバルな展開を始めています。残念ながらこの先右肩上がりで日本の荷物が増えていくことが期待できない今、さらに発展していくためには海外に展開していくしかありません。
 
日本郵船の本社採用の人間は約1600人います。そのうち1000人が陸上職、600人が海上職です。陸上職1000人のうちおよそ2割の人が海外に駐在しています。また海上職600人のうち海上勤務が300人、残りの300人が陸上勤務をしており、その陸上勤務の2割、およそ60人が海外で勤務しています。君たちは間違いなく海外に行くことになります。そのときに、海外のナショナルスタッフの人たちといかに仕事をやっていくかですが、それには自分の力を蓄え、人間力を養成することが重要です。と同時に語学は間違いなく大切です。君たちはその点を十分分かってくれていると思いますので、海外をいつも視野に入れてがんばってください。
 
当社は850隻ほどの船を運航しています。自社保有が約4割、3百数十隻です。3百数十隻もあるのに当社の船員は600人程しかいません。通常は船1隻あたり、20数人の船員が乗っています。海上職の人が乗船しても、その船の船員の大半はアジアのフィリピン、インドなどの方ということになります。その海外の人たちとうまく仕事をしていくか。これが船の安全運航などを左右することになりますが、そこで君たちの人間性、人格、語学力、すべてが問われるわけです。
 
最後に「おもしろおかしく」と申し上げました。これは株式会社堀場製作所の社是を引用したものです。当社でいう3I「誠意・創意・熱意」(Integrity、Innovation、Intensity:3I's)が「おもしろおかしく」ということであり、言い得て妙だと私は感服しています。皆さんが当社に入社して今後40年近く郵船グループで働くことになります。その3分の1は会社に来ているわけですから、この3分の1をおもしろおかしく楽しまなかったら意味がありません。
 
仕事も大事ですが、仕事を大事に思うのであれば、「仕事をおもしろおかしくやれるか」ということを常に考えてください。それが人間力をグループとして、組織として高めていく、大きな手段になると確信しています。
 
 
 
以上
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