北大西洋横断の定期船であった、仏CGT(フレンチ・ライン)社の「フランス」と、英キュナード社の「クイーン・エリザベス2」が、クルーズ専用船に変身した過程をお話します。 「フランス」(1961年竣工、66,348総トン)は、戦後フランスで建造された最大かつ最後の豪華客船で、ニューヨークとサザンプトン、ル・アーブル間の定期航路に就航していました。戦後、渡航客者がジェット機を利用するようになった上に、1973年秋の石油ショックで燃料費が暴騰して、政府の補助金を打ち切られたことから、1974年に同船は定期航路から引退しました。そして、ノルウェー船主に売却され、カリブ海の古典的クルーズ船として余生を過ごしました。 「クイーン・エリザベス2」(「QE2」1969年竣工、当初65,863総トン)は、北大西洋航路の定期船であり且つクルーズ船でもある兼用船でした。しかし定期航路の船客が少なくなった後、大西洋往復のフライ&クルーズや世界一周等のクルーズ専用船として活躍しました。船齢39年の今秋、客船としては引退し、ドバイの観光施設として売却される予定になっています。
■プロフィール 昭和32年日本郵船(株)入社。取締役、およびクリスタルクルーズ社会長、弊館館長を歴任。船や海運に関する洋書のコレクターでありその蔵書の数は2500冊にも及ぶ。豊富な知識を生かし、雑誌記事の執筆や各方面の講演会で活躍中。
ページトップへ