運航ビッグデータを活用した舶用エンジンに関する共同研究の進捗について

2017年11月16日

日本郵船株式会社
株式会社MTI
株式会社ジャパンエンジンコーポレーション

日本郵船株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:内藤忠顕、以下NYK)、NYKグループの株式会社MTI(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:田中康夫、以下MTI)、株式会社ジャパンエンジンコーポレーション(本社:兵庫県明石市、代表取締役社長:清水道生、以下J-ENG)が取り組んでいる舶用エンジンの安全性向上とメンテナンス時期の最適化の実現に向けた共同研究の進捗についてお知らせします。

 本研究は、運航ビッグデータを活用し、メーカーとユーザーの協力により、安全性・経済性のさらなる追求を目的として、2016年12月に開始しました。

 これまでの約1年間では、NYKとMTIが共同開発した船舶のパフォーマンスマネージメントシステムSIMS2(注1)によって収集・蓄積している運航ビッグデータをエンジンメーカーであるJ-ENGと共有し、監視・解析することで、重大な主機損傷に繋がる可能性がある不具合を、より早期の段階で発見し、本研究がさらなる安全運航につながることを確認しました。
今後は、NYKとMTIが独自に開発した事故の予兆検知と早期発見のための仕組みに、エンジンの開発・製造・アフターサービスを一貫体制で取り組むJ-ENGが持つノウハウを取り入れることで、さらに高度な事故防止システムの開発に取り組みます。

 また、NYKグループが従来から実施しているビッグデータを活用した主機の状態診断にJ-ENGの技術ノウハウを取り入れることで、その精度を高め、従来の使用時間に基づいた整備(Time Based Maintenance)から、状態に基づいた合理的な保守メンテナンス(Condition Based Maintenance)の実現を目指します。

 本研究の一例は、MTIが開催する講演会「Monohakobi Techno Forum 2017」(11月17日:広島開催、11月22日:東京開催)にて発表する予定です。

 NYKグループは運航ビッグデータを活用し、さまざまな舶用機器メーカー・造船所・学術機関とのコラボレーションを促進することで、新たなソリューションにより安全運航の実現を目指しています。

 J-ENGは、就航船データの解析による顧客の運航サポートや事故の予防保全に加え、就航船データをJ-ENG製のUEエンジン(注2)の開発・設計へフィードバックすることでさらなる性能と信頼性向上を図ります。

 3社は今後も運航ビッグデータと各社の知見を活用し、船舶の安全性・経済性の追求に努めていきます。

(注1)SIMS2
 Ship Information Management Systemの第二世代。船舶の運航状態や燃費、機器の状態に関する詳細なデータを記録すると同時に、船陸間でのタイムリーな共有を可能とする装置。

(注2)UEエンジン
 舶用低速機関の世界三大ブランドのうちの唯一の国産機関であり、J-ENGが開発から設計・製造・販売・サービスまでを一貫して手掛けるエンジン。

以上

 
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