平成19年商事始め式 社長挨拶
2007年1月4日
皆さん、明けましておめでとうございます。
皆さんもよい新年を迎えられたことと思います。新しい年のスタートにあたりNYKグループの皆さんにご挨拶致します。
1) 世界・社会情勢
先ず、我々を取り巻くビジネス環境について注意すべき点を申し上げたいと思います。アメリカにおいては中間選挙での民主党の勝利の結果、政治経済全般に亘って政策の変化が徐々に現れてくる事となるでしょう。経済においても住宅ブームの変調、自動車ビッグ3の不振などを受け、金利政策/為替政策などでの政策転換に注意を要します。
一方、国のインフラ整備を進める中国においては引続き高い経済成長が見込まれます。中長期的な視野にたって、中国の荷主さんとの友好的で強固な関係を築いて行きましょう。
また、中東産油国は原油価格の高止まりによる膨大なオイルマネーでうるおっておりますが、他方ではイラク・パレスチナ・レバノンなどの不安定要因を抱えており、目が離せません。欧州でも堅調な経済成長が見込まれます。中南米諸国も世界的なエネルギー資源・食料価格の上昇により経済発展を続けています。我が国においては、本年も2%前後の着実な経済成長が見込まれますが、今後金利引上げと為替の動向に注意を要します。
この様に、今年一年私たちを取り巻く世界的なビジネス環境を考えるといくつかの注意すべき点はあるものの、全体としては堅調で、大きな崩れは無いものと思います。
2)NYKグループの状況
翻って当社の状況をみてみますと、昨年9月期の中間決算もまずまず好調な業績をあげることが出来ましたが、定航部門と新しく連結化したNCAの早期黒字化という課題を抱えております。各部門にはそれぞれ新年の目標を定め、更なる飛躍を遂げて貰いたいと思います。
ご存知の通り2007年度は中期経営計画NEW HORIZON2007の最終年となります。昨年11月にNEW HORIZONの中間見直しを行いましたが、3つの基本戦略、すなわち、「海運事業の拡充」、「ロジスティクス・インテグレーターへの飛躍」、「企業基盤の強化」にはいささかの変更もありません。営業面では特に旺盛な荷動きが続くであろうバルク・エネルギー船分野を強化することと、SEALIPを軸とした総合物流、即ち定期船・物流・自動車船及びターミナル分野がそれぞれの強みを結合させ、更に強力で、お客様から評価され信頼されるサービスを提供できるように努力してください。
そして、今年4月からは、NEW HORIZONの次の中期経営計画策定作業を開始する予定です。環境のよい内に足元をしっかり固めなくてはなりません。皆さんと共に、NYKグループの更なる飛躍のためのプラン作りを進めたいと思います。
この他、今年当社グループとして取組むべき点は、先ず4月にスタートする決算早期化です。円滑なスタートを期待しています。また定航を中心とした営業システムOSCARの安定的な展開に期待しております。
6月にはフィリピン商船大学NYK-TDG Maritime Academy が開校します。今後の運航船舶の増加に対する質の高い船員の養成確保の為にこの大学の果たすべき役割は大きく、スムースな立ち上げを実現しましょう。
3)NYKグループ・バリュー
ところで、昨年6月、私はNYKグループ・バリューを策定する事を皆さんにお伝えしました。今日ここにそのグループ・バリューを発表いたしたいと思います。
120年を超える歴史をもつNYKは、従来の海運業中心の企業グループから、現在活動の場は海・陸・空にまたがり、又現在全世界4万8千人のスタッフの内80%が外国人(Non-Japanese)というグローバル企業に変身しております。
この環境下で、昔から以心伝心で引継がれてきた「NYKの良さ」をグループ全体に伝えていく為には、それを明確な言葉で表現する事が必要です。皆さんが日々の仕事をしていく上で、その目標を達成する為の原動力となる様な共通の価値、つまり「NYKグループ・バリュー」の策定が必要と考えました。
そのため、昨年6月からグループ・バリュー・コミッティを作り、議論を重ねてきました。このバリューには120年に亘り先輩達が培ってきた「NYKらしさ」を込めると同時に、今後50年、100年に亘りグローバル企業としてのNYKが持つべき「NYKらしさ」も含んでいます。即ち別の言葉で言えば、この「グループ・バリュー」はNYKが今後受継ぐべき「DNA」とも言えましょう。そして、このグループ・バリューは一昨年制定した「日本郵船グループ企業理念」、つまり「わたくしたちは、海・陸・空にまたがるグローバルな総合物流企業グループとして、安全・確実な『モノ運び』を通じ、人々の生活を支えます」に対して、その実現のための基本的な考え方を示すものとなります。
それでは、NYKグループ・バリューを発表いたしましょう。
日本語では「誠意・創意・熱意」、英語では「Integrity・Innovation・Intensity」。この3つの言葉をNYKグループ・バリューと定めます。
「誠意」は「うそいつわりの無い心・私利・私欲の無い心。まごころ」という意味が一般の意味ですが、このグループ・バリューでは更に「お客様を始め相手を尊重して、相手の立場を徹底的に考え抜く気持ち。思いやり。」という意味も込めています。そしてこの誠意が創意・熱意の前提となります。
「創意」は「これまでだれも考えつかなかった考え。新しい思いつき」の意味に加えて「現状に満足せず、より良いものにする為の『原動力』、つまり『変革』や『挑戦』の意味」を込めています。
「熱意」は「一途にそれに打ち込んでいる気持ち。熱心な気持ち」という意味に加えて「困難なものに対して、継続して達成するまでやり遂げる熱い思い」という意味を込めています。
この「誠意・創意・熱意」、つまり3つの「意」と、Integrity・ Innovation・Intensity、つまり3つの「I」を、形式的に唱えるのではなく、皆さんの日々の仕事の中で具体的な形で実現していきましょう。その各自の具体的な行動への展開が、このNYKグループ・バリューに魂を吹き込む事になります。
今後、このNYKグループ・バリューを浸透させる為にグループを挙げて様々な活動を開始します。このグループ・バリューを真に意味あるものに高めていくために、グループ一丸となってこのバリューをグループの宝としていきましょう。
4)安全とCSR
さて、最後に安全と企業の社会的責任についての自覚をグループ社員の皆さんに再度強調したいと思います。物流業では安全こそがすべての信頼の源です。昨年は日本近海で海難事故が相次ぎました。当社グループにおいて改めて安全確保の強化をお願いします。この安全は海上部門だけの問題ではなく、営業部門と海上部門の相互の信頼と密接なコミュニケーションの上に成立つものであり、NYKグループ全体の取組むべき永遠の課題です。
また、企業の社会的責任について従来以上に厳しく自覚を求められる時代です。内部統制の確立や、従来から言われているコンプライアンスの遵守は企業存立の当然の前提です。法律・規則を守っていくには社内規則の制定やチェック体制の確立も無論大切ですが、最も大切な事はグループ社員一人一人が、企業人としての社会的責任をしっかり自覚していくことだと思います。
当社は、昨年6月、各界有識者6名からなるアドバイザリー・ボードをスタートさせました。これは経営の透明性を高める為に社外の方からNYKの経営に対して自由な意見を頂く場を設けたものです。今後はこうした外部の目を経営に十分活かしていきたいと考えております。
以上、新年にあたり思うところを述べて参りました。新年がNYKグループにとってよりよい一年となると共に、グループ社員の皆さん、そしてその家族の方々にとっても、昨年以上に輝かしく、健康に恵まれたよき1年になることをお祈りして、私の挨拶とさせて頂きます。
以上
その後、予告なしに変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。

