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平成16年度商事始め式 挨拶

2004年1月5日

1.草刈社長 挨拶

申年

皆さん、明けましておめでとうございます。そして、世界中のNYKグループ33,000人の皆さん、心より新年のお祝いを申し上げます。

今年の干支(えと)は「申(さる)」。申年は私たち総合物流業者にとっては大変縁の深い干支です。12回前の申年である1860年には日本初の使節団を乗せた「咸臨丸」が米国へ旅立ち、そして1872年には日本初の鉄道が新橋・横浜間を走りました。1896年にはヘンリー・フォードの原動機付き四輪車がデトロイトの街を駆け抜けました。近年では、1956年に南極観測船「宗谷」が初航海、1980年から1981年にかけては当社の一大プロジェクトである「ちきゅう」の先陣である深海探索船「しんかい2000」が完成しています。このほか、申年にはさまざまな輸送にかかわる出来事がありました。申年こそ私たちの年です。ぜひ元気な1年でありたいものだと思います。

ところで、猿にちなんだ童謡といえば「お猿の駕篭(かご)や」があります。昨年、海運界は絶好調なマーケットの波に乗って、大変良い1年を過ごしました。今年は申年でもあるし、当分海運マーケットというお猿さんが走ってくれて、順調な1年、海運駕籠は安泰、ということが大勢の意見のようです。しかし、このお猿さんは大変気まぐれで、私たちの期待を裏切って止まったり、迷走したり、あっという間にこけたりといった悪い癖があることは、歴史が教えてくれています。申年だからといって油断は禁物。今年も気を引き締めていきましょう。

環境認識

さて、私たちを取り巻く環境を見ますと、世界の経済は一部で明るさが見えるものの、依然としてまだら模様です。大統領選挙を控えた米国では好景気が続くと期待されていますし、中国は一人奮闘して高度成長を持続、その驚異的ダイナミズムが海運市況や荷動きを力強く支えています。一方EUは景気回復の兆しすら見えず、日本においても政府は景気回復をはやしていますが、実感が伴っていません。

世界政治を見ると、フセイン前大統領が拘束されたとはいえ、イラク情勢はますます混迷の度を深め、テロ活動は日常化して収拾の方向すら見えていません。パレスチナ情勢も相変わらず泥沼化したままです。そんな中、日本の自衛隊のイラク派遣が決まり、これまで無風地帯に安住してきた日本も、今後は国際政治の渦に巻き込まれることを覚悟する必要があると思われます。

2つのメッセージ

それでは、"Forward 120"2年目の始まりに当たり、皆さんに私の思いを2点、お話ししたいと思います。1つ目は"Forward 120"について、2つ目は2003年度の業績などについてです。

1.地球現場 〜 1人ひとりの"Forward 120 (one-twenty)"
 ご承知のとおり、"Forward 120"は2003年春から05年3月末までの短期決戦です。この短期決戦では、次の120年に向けて私たちが大きく飛躍するための身支度、すなわち基礎体力作りと種蒔(ま)きをお願いしています。皆さんには自ら変わる勇気を持って立ち向かってもらっていますが、それぞれの持ち場でさまざまな困難に直面することも多いかと思います。
 "Forward 120"の成功の鍵(かぎ)を握る2つのキーワードは「もっともっとグローバルに」、そして「もっともっと現場へ」です。創業から約120年、日本郵船は常に自らを変革し、それぞれの時代の変化を乗り切ってきました。その際、バックボーンとして貫かれた行動規範は、実際に物が動く「現場」を何よりも重視することでした。そしてその原点こそ「船」という現場における定時・安全運航であることは言うまでもありません。皆さん、これからの飛躍のために、今一度1人ひとりの「現場」を見つめ直し、勇気を出して変革してください。
この思いを、「地球現場‐グローバルに広がる現場‐」という言葉に込めて、今年1年皆さんと一緒に頑張っていきたいと思います。頭の中や理屈の上で「変える」のは、単なる絵空事にすぎません。グローバルに展開する、それぞれの「現場」を変革することによって、初めてNYKグループの進化が生まれることを再認識してほしいと思います。
2.本年度の業績について
 次に本年度の業績についてお話ししたいと思います。おかげさまで本年度中間決算は連結で374億円という史上最高の経常利益を記録することができました。とりわけ定期船事業の復調が大きく貢献したといえます。関係者の努力を大いにたたえたいと思います。
 しかし、本年度通期の経常利益の業績予想を見ると、競合他社に比べて当社は若干ながら見劣りした数字になっています。また株式市場は、当社の非海運業の業績が伸び悩んでいることも加味し、評価を下げています。この事は「現実」として素直に、そして謙虚に受けとめるべきだと思います。けれども、こんなことでひるんだりオタオタしたりする必要は毫(ごう)もありません。私たちは次の大きな飛躍を目指して、海運以外も含めた新しい分野にチャレンジしている過程にあります。それが"Forward 120"なのです。物流しかり、バルク・エネルギー輸送の海外展開しかり、客船の拡大しかりです。昨年、「今年は種蒔く時期である」ことは皆さんに繰り返し述べているとおりです。
 一方、種蒔きにはお金も掛かるし、蒔いた種があっという間に芽を出してすぐに成果が上がるほど、世の中は甘くないことは皆さん重々ご承知のとおりです。今は生みの苦しみを嫌というほど味わっているのは事実ですが、この試練を乗り越えて、NYK第2の青年期たる2005年以降には大輪の花が咲く、すなわちNYKグループ4本目の収益の太柱(はしら)が立つものと私は確信しています。この選択が皆さん1人ひとりに確信・支持される限り、外部の雑音などにする必要は一切ありません。ひたすら、自ら信じる道に突き進もうではありませんか。
 ただ、1つだけ皆さん自らに問うてほしいことがあります。それは、このところ継続している年間500億円から700億円くらいの経常利益にあって「好業績ボケして仕事に対する厳しさを失っていないか?」ということです。すなわち、その結果としてアドベンチャー精神・チャレンジ精神が希薄になっていないか? ぬくぬくと現状に安住して「プチブル※1症候群」に陥っていないか? 自分の胸に手を当てて考えてみてください。今期の業績を振り返ってみると、その兆候が表れている部署が点在しているというのが私の所感です。直ちに修正が必要です。新年を期して、今一度、部門ごとに組織とアクションプランの総点検を行い「プチブル症候群」を追い出し、3C:Change・Challenge・Createのスピリットをもう一度吹き込んでください。そして、より大きな飛躍のためのロードマップに磨きをかけてほしいと思います。
最後に
 最後になりますが、NYKグループの最も大切な資産であるご家族を含めた皆さんのご健康とご多幸をお祈りし、新年の挨拶(あいさつ)とさせていただきます。
※1 プチブル
プチ・ブルジョアの略。中産階級に属する者。ブルジョアジーとプロレタリアートの中間に位する階層。小市民。小ブルジョア。

2.宮原専務 挨拶

皆さん、明けましておめでとうございます。一言、ご挨拶(あいさつ)申し上げます。

NYKグループはここ数年、草刈社長の強力なリーダーシップの下、業績を飛躍的に伸ばすことができました。この勢いを引き継いでさらに大きく伸ばし、世界に並ぶものがない総合物流企業としての力を高め、世界中の顧客の皆さまから強い信頼を得ることが、私に与えられた課題であると認識しています。今後3カ月の助走期間の後、4月からは全力で"Forward 120"の完遂と、これに続く新しい中長期経営計画の策定・実践の先頭に立つつもりです。皆さん、よろしくお願いします。

最後に、今年一年、皆さんとご家族全員のご健康とご多幸をお祈りして、私の挨拶といたします。

− 社長人事に関するお知らせ −
 2003年12月25日、当社は、宮原耕治代表取締役専務が、04年4月1日付けをもって、代表取締役社長に昇格することを内定したと発表しました。草刈隆郎代表取締役社長は、代表権のある会長に就任する予定です。本役員人事は、04年1月29日開催予定の取締役会において正式決定される予定です。

以上

掲載されている情報は、発表日現在のものです。
その後、予告なしに変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。