バラスト水処理に関する研究開発による成果の件
2003年11月12日
当社は、バラスト水(船の安定性などを確保するための海水)を処理するための独自の浄化方法における研究開発を行い、海洋中に生息する水生生物の殺滅の効果を確認しました。(特許出願済み)
この研究は、キャビテーション(液体が、圧力の急激な降下により、局所的に気体になる現象)を利用したものであり、昨年の夏より郵船商事(株)、(株)エスマック、(株)増田研究所とともに研究を行なってきたものです。
処理装置の特徴は下記の通りです。
- 船舶で利用できる蒸気を活用した。
- 狭い機関室を考慮して装置の設置をバラスト水管へはめ込むタイプとした。
- 蒸気から発生するキャビテーションの衝撃波による物理的な殺滅・殺菌効果で水生生物を破壊する。
- さらに、同時に少量のオゾンによる相乗効果で化学的な殺菌効果により効果を高める。
処理装置の効果を確認するため、海洋環境の専門である東京海洋大学(旧東京水産大学)社会連携推進共同研究センター(リエゾンセンター)において芙蓉海洋開発(株)とともに実際の装置の効果を同センターの大型実験室にて確認しました。
処理対象は動物プランクトンのアルテミアを使用、流量は、実際の処理量を考慮し、毎時300トンの10分の1のサイズで実験しました。
実験の結果は、1次処理で83%処理と高い効率を得るとともに、2次処理を施すとほぼ100%に近い処理効果を確認出来ました。また、海水中の一般細菌検査においても十分な効果を確認しております。
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| Oithona (動物プランクトン, 橈脚類の一種) |
Prorocentrum (植物プランクトン, 渦鞭毛藻の1種) |
| 芙蓉海洋開発(株)提供 | |
当社は、東京海洋大学と共同研究を進める中でこの処理方式だけでなく海洋中に生息する有害な水生生物に効果のある他の方式も視野にいれながら処理装置の実用化を目指した取組みを積極的に進めて参ります。
※注釈
船舶は、空船時、船体の安定性やプロペラ効率を確保するために、バラストタンクと呼ばれるタンクに海水を注入して航行しています。このバラストタンクに注入された海水をバラスト水といいます。
バラスト水は、貨物を降ろした揚地港で注水し、貨物を積み込む積地港で排水されます。積地港でバラスト水を排出する時に、揚地港で注水されたバラスト水に含まれる海洋生物がその地域の生態系へ影響を与える恐れがあるとして国際的な環境問題となっています。
アルテミアは、動物プランクトンとしてはかなり強い種類であるので、橈脚類などの通常の動物プランクトンや渦鞭毛藻などの植物プランクトンに対して処理装置はより高い効果を示すことが期待されます。
以上
その後、予告なしに変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。



