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世界初 耐孔食鋼板採用の件

2003年8月27日

当社は、新日本製鐵(株)が開発した、孔食の進行速度を5分の1程度に低減させる世界初の耐孔食鋼板を新造VLCCに採用することといたしました。

当社では、漏洩事故の可能性があるVLCCのカーゴタンク底板の孔食問題に対して、近年はカーゴタンク底板を全面塗装として安全性を確保してきました。
今回採用する新鋼板は、塗装に頼らず鋼板そのものにより耐食性向上を図ることができ、より高い信頼性・環境性・省メンテナンス性を実現できるものであるため、当社のニーズに応える革新的な製品として評価しました。

当社はこれまで積極的に新規技術開発および環境問題に取り組んできましたが、今回その一環として、この鋼板を実船にて性能を確認し、将来的には塗装に頼らない、より環境に優しい船の実現を目指します。
なお、同鋼板を、2004年第2四半期に三菱重工業(株)長崎造船所にて竣工予定のVLCCカーゴタンクへ採用することを決定いたしました。

[背景]
 孔食とは、局所的に直径数mm程度の穴状となる腐食のことであり、従来からVLCCのカーゴタンク底板は孔食に悩まされ、メンテナンスの上で大きな問題となっていました。カーゴタンク底板の孔食は年間腐食速度が最大3〜4mmにも及ぶことから、鋼材の耐食性向上には高合金鋼が必須であり、これまで経済的に成り立たないと考えられてきました。そのため、補助的手段である表面処理、特に塗装が採用されてきました。当社では、孔食による漏洩事故防止などのために、近年ではカーゴタンク底板に全面塗装を採用して安全性を確保してきました。
[耐孔食鋼板]
 新日本製鐵(株)は、実船環境を再現した評価で、孔食の進行速度を従来鋼の5分の1程度にまで低減できるVLCCカーゴタンク底板用の耐孔食鋼板の開発に、世界で初めて成功し、経済的にも合致することを確認済みです。
三菱重工業(株)は、実船への耐孔食鋼板の適用に際して溶接などの建造技術、設計上の強度検証を行い、従来鋼と同等以上であることを確認済みです。
塗装などによる補助的対策では、塗膜のメンテナンスが必要となり、かつ塗膜が不健全であれば、かえって孔食を助長する問題があるのに対し、この耐孔食鋼板は、鋼板そのものの腐食速度を大幅に低減させることによって、鋼板の周辺環境や管理状態に依存せずに安定的な効果を発揮し、メンテナンス負荷を低減させる画期的な鋼板です。
[安全と環境のために]
 近年、揮発性物質など、塗料の使用に際して環境への影響が問題として取り上げられています。
当社では、カーゴタンク底板を全面塗装として安全性を確保してきましたが、この耐孔食鋼板の性能が確認されれば、カーゴタンク底板に塗装をする必要がなくなり、環境負荷の低減に大きく貢献できるものと期待しています。

以上

掲載されている情報は、発表日現在のものです。
その後、予告なしに変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。