

スペイン南部アルメリアの街 |

海外へ一人で行くのは初めての上に、さらにヨーロッパに現地集合。乗り継ぎを4回も行って、日本からはるか遠いスペインへ行きました。乗り継ぎのたびにドキドキしつつ、ようやく集合場所アルメリアに着いたのは夜中でした。無事着いてホッとしたのも束の間、なんとここでハプニングが…!複数の乗り継ぎのおかげでスーツケースがロストしてしまったのです。しかし、メンバーの皆がいろいろと貸してくれたり、モールに連れて行ってくれたりとても心配してくれました。こうして初日からメンバーたちの優しさに触れるという印象的な出来事からプロジェクトは始まりました。

調査船トフテバーグ号 |

集合場所のホテルから約一時間車に乗ってマリーナへ。そこで調査船トフテバーグ号とスタッフと合流しました。メンバーはボランティア7名、研究者2名、スタッフ、環境NPOの方3名です。明日からの美しいトフテバーグ号での調査にメンバー全員ワクワクしました。
調査地域は、ジブラルタル海峡から唯一地中海への海水の交換が起こるアルボラン海です。生物多様性が高く、野生生物にとって重要な生息場所です。ところが、かつてこの海域で普通に見られたイルカなどのクジラ類は生息環境悪化のため年々減少しています。そこで、イルカを指標生物とし、その生息データを地中海の海洋保全計画に役立てることがこのプロジェクトの大きな指針です。

アルメリアの朝 |

ようやく明るくなってくる頃、停泊しているマリーナで朝仕度をします。各マリーナはとても美しく、きちんとシャワー・トイレなどが完備されています。

朝日がとてもまぶしい時刻、船上で朝食を食べます。

双眼鏡を使用して、360°チェック |

調査は、ボランティアメンバー皆で4つの役割を一時間づつローテーションで行います。音響測深器を使って20分おきに水深、魚群の有無などのデータを記録する「環境データ係」、周辺の海にいる船の種類、数を記録する「船のデータ係」、そしてGPSとコンパスを見ながら指示された方向へと船の舵取りを行う「操船係」、右舷・左舷それぞれ各一人ずつ双眼鏡でイルカや野生生物の探索を行う「ウォッチング係」です。
どこまでも続く青い地中海にトフテバーグ号は悠々と進んでいきます。「ウォッチング係」や研究者たちが野生のイルカの群れを発見。イルカたちは気持ちよさそうに船の真下を船と同じ速さで泳ぎます。「イルカは遊ぶのがとても好きで、考えながら泳いでいるのだよ」と研究者が教えてくれました。

イルカが船の真下を群れで泳ぐ |

調査中はマイルカ、バンドウイルカ、スジイルカの群れに出会うことができました。イルカたちに出会うたびに興奮し、皆で一生懸命観察しました。イルカの群れを発見した時は通常の作業に加えて、発見した生物種、観察時刻、座標位置、周囲の状況などの記録をつけます。また個体識別を行うため、イルカの写真を撮ります。さらにゾディアックというモーターボートでイルカに接近し、DNAを調べるために皮膚サンプルを採取します。研究者が特殊な器具を使って採取したサンプルは、ラベルを付けて保存します。

ウミガメの大きさを計測 |

また、私たちはイルカだけでなくクジラ数種にも会うことができました。水中マイクを使って、クジラの鳴き声を聞くこともできました。さらにラッキーなことにウミガメにも遭遇することができました。ウミガメを発見したときには、血液サンプルを取り、体長を計測します。

調査後、マリーナに停泊し夕食の準備 |

船上で昼食 (サンドイッチ、フルーツなど)。どこまでも続く青い海の中心で食べる昼食は最高でした。

徐々に日が沈み暗くなり始める頃、二人づつその日の食事当番が夕食の準備を始めます。当番でないメンバーはシャワーを浴びたり、散歩をしたりと思い思いの時間を過ごします。

毎日、皆で作り一緒に食べる夕食は本当に最高でした。夕食後、メンバー皆でマリーナ散策もしました。カフェでのんびりおしゃべりなどして、くつろぎ、笑いあう時間はとても楽しかったです。

各自気に入った場所で就寝します。デッキの上で寝袋を敷いて寝る人、デッキ下の簡易ベッドで寝る人。私は毎日デッキ上で、心地よい夜風を感じ澄んだ夜空を見上げながら就寝しました。


研究者、スタッフ、ボランティアとともに |
素晴らしいメンバーたちと出会い、トフテバーグ号に乗り、一緒にイルカ、クジラ、ウミガメの生態調査を行えたことは私の大切な思い出と人生の財産になりました。調査期間中、研究者の方が皆で集めたデータをまとめたグラフを見せてくれました。実際に私たちボランティアの活動が保全調査に繋がっていることを実感でき、とても感動したことを覚えています。このプロジェクトで出会った貴重な野生生物たちにいつまでも出会えることを願い、今後も環境問題を地球規模で考え、地域レベルで行動を起こしていきたいと思います。
帰国してもなお、連絡を取り続けている研究者の方々、メンバーの皆に再び会えることを楽しみにまた頑張っていきたいと思っています。
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