多くの鯨類が生息しているにもかかわらず、90年代前半までヘブリディーズの海域における鯨類の生息数は定かでなかった。そこで、2001年にトバーモリに拠点をおくHWDT(Hebridean Whale and Dolphin Trust)は海洋環境の保全と持続的な利用に向けた教育と海洋調査を同地で実施するというプロジェクトを立ち上げた。私が参加したプログラムがそのプロジェクトの一つである海洋調査である。この調査は、毎年鯨類の分布と生息数、生息密度の調査、鯨類の「ホットスポット」(ある鯨類にとって特に重要な海域)の探索を目的に3月から10月にかけて毎年実施され、今年で7年目になる。調査で収集された情報は、各種の鯨類を守るための保全海域の確立に役立つ・・・・・・
この調査は、NGO[Tethys Research Institute]が、地中海でバンドウイルカの生息密度が最も高いAmvrakikos湾にて、2001年から実施している。主な調査内容は、個体数、個体識別、行動分析、生息域の把握である。Amvrakikos湾は半閉鎖的な環境であることから、これらの調査を行うには最適である。外部からの個体の流出入が少ないために調査対象の個体群を長期に渡り観察することが可能であり、また、年間を通じて環境の変動が小さいためにバイアスを限りなく小さくできるのである。
このようなバンドウイルカの生態学的調査で得られたデータに基づき、イルカの保護につながる諸活動を行うことがこの調査の目的である・・・・・・