海での取組み
日本郵船の環境技術
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大気汚染対策
海洋汚染対策
空気潤滑システムで10%CO2削減
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当社は三菱重工業株式会社と共同で、「空気潤滑システム」の共同開発を行っています。「空気潤滑システム」とは、空気を船底に送り込むことにより船舶と海水の摩擦抵抗を低減させる省エネ装置で、2010年3月に竣工した「YAMATAI」(邪馬台)で実証実験を開始しています。ブロア(送風機)方式による同システムの恒久的運用は外航海運では世界初の試みです。
「空気潤滑システム」を実験搭載した「YAMATAI」は日本郵船グループの日之出郵船株式会社が運航するモジュール運搬船※1で、海面と船底との高さが比較的低いため、空気を送り込む力が小さくてよいことから、実験に最適と判断しました。
今回、この装置によってCO2の発生を約10%抑える効果を見込んでいます。
※1 モジュール運搬船
石油・ガス開発サイトや工場に設置されるプラントなどを数千トン規模のプレ・ハブ構造物に分割して、海上輸送およびロール・オン/オフ方式で積揚する特殊重量物輸送です。
太陽電池を付けた自動車運搬船—更なる進化—
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当社は新日本石油(株)と共同で船の国際輸送におけるCO2削減の一環として、船を動かすための電力の一部に太陽光エネルギーを利用するシステムの開発を進めており、2008年12月より実証実験を実施して参りました。約二年間にわたり太陽光パネルの発電状況や耐久性を検証した結果、太陽光パネルによる発電は、わずかな天候の変化でもすぐにその発電量に大きな影響を与えるため船内への安定的な電力供給が難しく、将来、太陽光発電を大型化し、その依存度を上げた場合には、発電量の変動により安定的な電力供給に問題がある、ということが分かりました。そこで当社は、2011年6月より川崎重工業株式会社、株式会社MTI、一般財団法人日本海事協会と共同開発中の船舶用ハイブリッド給電システムを本船に搭載し、実証実験を開始します。本船の太陽光発電による発電量の変動をこのハイブリッド給電システムで充電・放電することにより、本船電力系統への給電量を平滑化させ、ディーゼル発電機の出力変動を必要最小限にすることで発電状態を安定させることが可能になります。この実証実験の結果を基に、船舶での太陽光発電の一層の大規模化の開発を目指します。
燃焼効率の高いしくみ【水エマルジョン燃料装置】
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水エマルジョン燃料は、燃料油と水を混合して乳化(エマルジョン)した、効率の良い燃料として注目されています。燃料消費削減によるCO2排出量の低減、さらに燃焼時には燃料油中の水が気化して熱を奪うので、燃焼温度が下がり、高温で燃える時に発生しやすいNOxの発生を押さえられます。当社の技術研究分野のグループ会社の(株)MTIでは、舶用ボイラー用の水エマルジョン装置を開発中です。
水エマルジョン燃料とは?
エマルジョンとは、油と水が分離しない安定した状態で混合されている状態をいいます。例えば、マヨネーズは油と酢のエマルジョンです。これを使用すると、燃料中の水滴が急激に加熱されて微爆発を起こし、水の周りにある油を微細化して拡散させ、効率良く燃焼させることが可能です。
推進効率を高める【MT−FAST】
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波や風の抵抗が少なくなれば少ないほど、省エネルギー運航が可能となります。そこで、少しでも省エネを実現しようと、船体に取り付けることで抵抗を軽減させる、いろんな船体付加物が考え出されています。推進援助装置・MT−FASTもそのひとつ。航海中の水面下では、プロペラの回転から生まれる旋回流により、推進力が損なわれる現象が起きてしまいますが、船体に翼をつけることで、損失推進力の回収効果が実証され、約4〜6%の省エネ効果が確認されました。さらに、回収効果の高い仕組みを研究しています。
省エネ運航の支援装置【FUELNAVI】
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省エネ運航の支援装置として、新しい燃費計(FUELNAVI)が開発されました。燃料消費量1トンあたりの航海距離といった、燃料消費の性能をリアルタイムで表示する燃費計です。車の燃費計と同じような機能で、運行中に燃費効率を把握し、その改善に役立てることができます。同時に、速力、進路、風向・風速、舵角、メインエンジンの回転数などを計測し、気象・海象、船体運動が燃料消費に与える影響分析も可能です。
燃料の噴射量を調節【ガバナー】
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舶用主機は、絶えず変化する海象のもとで、船のスピード(プロペラ回転数)を維持するために、ガバナーという装置で燃料噴射量を調節しています。改良したガバナーは噴射量調整の動きを緩慢にすることで、従来に比べて約1.3%の省エネ効果が確認されました。
海洋汚染事故を未然に防ぐ【耐腐食鋼板】— 市村産業賞を受賞
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原油タンカーの底面には、原油に含まれる塩水が沈殿してピットと呼ばれる腐食によるくぼみが発生し、油漏れなどの重大事故につながる可能性がありました。そこで、当社は腐食を防ぐ耐腐食鋼板を新日本製鐵株式会社と共同開発し、いち早く実用化しました。このことにより、従来は点検のたびに数千箇所もの補修が必要でしたが、耐腐食鋼板を使用したタンカーでは補修箇所ゼロを実現しました。この耐腐食鋼板の有効性は国際的にも認識されており、昨年原油タンカータンクの腐食防止措置に関するSOLAS条約の改正において、耐食鋼が塗装性能基準に従った塗装に代わる有効な防食技術として規定されました。また、この研究内容、実船での適用が評価され、財団法人新技術開発財団より日本の産業の発展に貢献・功績のあった国産技術の開発者を表彰する伝統と権威ある賞である、第43回(平成22年度)市村産業賞貢献賞を受賞しました。
荷役効率や積載効率のアップ【自動車積載方式・船倉保護シートシステム】
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当社が開発した自動車船の荷役・積載方式は、大量の車両を安全かつ効率よく積載できるため、現在、世界の自動車船の安全で環境に配慮した運航のための世界標準になっています。これらの当社の高い運航ノウハウはITを活用してシステム化されています。また、グループ会社である、NYKグローバル バルク(株)と(株)MTIは、撒積貨物船※1に直接セメントを積載した後の汚損を軽減する、「船倉保護シートシステム」を共同で開発しました。船倉内の汚損を軽減、清掃社業を容易にすることで、停泊時間が短縮でき、稼働率が向上、粉塵を抑えるので作業環境も改善しました。
※1 撒積貨物船
石炭、鉱石、穀類、セメントなど無包装のばら状の貨物を運搬する船。






